12月17日 日ようび えんどおぶでいず

あさ起きると、おしりにみょうないわかんをかんじました。
なにかとても大切なものを失った気がしてなりませんでした。
おじさんがまどべにたってそとをながめてました。
ぼくがおきたのにきづくと、顔をこっちにむけてきました。
「おめざめかい?おひめさま。」
なぜかほおをあからめてました。へんなねぐせまでたってます。
おじさんはかってにはなしつづけました。
「そとをごらん。きぼうのひかりでみちあふれてるよ」
そとは雨でした。
「ボクたちのきぼうだよ。いっしょに新しくうまれかわるための、きぼう。」
待てコラ。なんでぼくまでいっしょなんだよ。てめぇ一人で行きやがれ。
「光の向こう側に行けば生まれ変われる。」
だからしんでないっつの!
ぼくがはんろんしようとすると、サっとおじさんの手が伸びて口をふさいできました。
すごいちから。ぼくはひっしにもがきましたが、その手ははなれませんでした。
フウフウとおじさんが息を荒げるのが聞こえます。
じっとりとしたしせんがぼくにそそがれていました。
やめろ。はなせ。はなせったら!
なんどもなんどもおじさんをたたきましたが、肉がプヨプヨするだけでダメージをあたえられません。
ていこうすればするほど、おじさんのほおがあからんでいきました。
目をカッと見開き、口元にはぶきみな笑みをうかべてます。
ひたいにはジワッとあぶらあせが。
「旅立とう。きぼうの光のその先へ」
こうふんしてこえをあらげてます。
やめて。おねがいだからやめてください。
ぼくはそっちにきょうみなんかありません。ぼくは、まともなにんげんでいたいんです。
そっちの世界につれてかないで!
おおごえでさけんだつもりでしたが、すべておじさんの手におおわれてかきけされました。
あらゆるていこうはむだにおわり、されるがままになるしかありません。
いやだ。ちがう。ぼくはちがう。ぼくはちがうぞぉぉぉ!!!
なおもぼくはさけびつづけました。
「光の果てに見える世界。そこが、」
そんなぼくにおかまいなしに、おじさんはみみもとでささやきました。

「そこがボクらの、新しい世界だ。」

NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!


おしまい

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