絶望世界 もうひとつの私日記

第19週


2/12(月) 晴
風見さんが焦ってます。「何で俺が標的にされるんだよ。早紀、何か知ってるんだろ?教えてくれよ!」
私は一言「電話下さい。」とだけメールしました。
直接お話したいです。


2/13(火) 晴
風見さんは電話をくれません。まだメールだけです。
「なんで電話にこだわるんだよ。やっぱり早紀が処刑人なのか?俺を呼び出そうとしてるのか?」
私は処刑人じゃありません。だから電話下さい。そう返事を書きました。
電話は来ません。


2/14(水) 晴
私を受け入れてくれるどころでは無くなってます。何かがおかしくなっていきます。
「早紀。俺はこのままメールをやめれば君との関係も終われるんだ。処刑人との縁も切れるかもしれない。電話にこだわらないでさ。処刑人のこと、教えて欲しいな。メールで。」このまま全て終わってしまうんでしょうか。
お願いです。電話さえくれればきっとうまくいくはずだから。
またメールを送りました。


2/15(木) 曇
風見さんが醜く見えてきました。
「電話はできない。わかるだろ?君が処刑人かもしれないって疑うのも仕方ないだろ?
お願いだよ早紀。助けてくれよ。処刑人って何なんだよ。標的にされたらどうなっちゃうんだよ。教えてくれよ!」
私は自分が何を望んでるのかわからなくなってきました。風見さんに何を求めてた?
わからない。それでも私は「電話して下さい。」としか言えませんでした。
わからない・・


2/16(金) 晴
家では誰も話しかけてくれません。ご飯は時間になれば自動的に出てきます。
私が食べるときにはお父さんは引っ込んでしまいます。「この引きこもりが!」と捨てゼリフを残して。
私は居間にも行かなくなりました。部屋にこもりっぱなしです。
やることと言えば風見さんに「電話下さい。」とメールを送るくらいです。何をやってるんでしょう。
本当に、引きこもりです。


2/17(土) 晴
風見さんのメールを見た時、私の中で何かが弾けました。
「お願いです。処刑人が怖いです。逃げるにはどうすればいいんでしょうか?」
私と一緒に逃げて下さい。そう書こうとしましたが、途中で涙が出てきて書けませんでした。
もういい。ネットで出会った赤の他人なんかに頼ろうとした私が間違ってました。
MLなんかに自分の場所を求めたのが間違いでした。
ここに希望なんてありません。


2/18(日) 曇
また風見さんからメールが来ましたが、無視しました。
恐らく二度と返事を書くことはないでしょう。
でも最後にやらなければならないことがあります。処刑人にメールを送りました。
「最後の標的は私にして下さい。私を、殺して下さい。」
これで全てが終わります。


第20週