絶望の世界∀ −もうひとつの私日記−
第34週
6/3(月) 晴
細江さんこそ私が地獄に叩き落した人。
今更顔を合わせられる義理はないけど、私は行かなければいけません。
反省してることを伝えれば少しは許してくれるかな。
6/4(火) 晴
細江さんはまだその病院にいるようです。
田村さんはもともと細江さんがいる病院を少しは知ってたらしいのですが、
住所や電話番号を調までは知らなかったので母親に聞いたそうです。
母親が言うには「見つけたみたいだけど本当に行ったのかはわからない。」とのこと。
たぶん行ってる。
6/5(水) 曇
田村さん自身に細江さんのことを聞いても話してはくれませんでした。
細江さんも同じような状態なはず。まともに会話なんかできない。
それなら田村さんは何しに行ったんだろう?
あんな中途半端な時期にお見舞いとは思えません。
明日、何かわかるかも。
6/6(木) 晴
心配してた通り。
細江さんには会えなかった。
中に入れてもらえなかった。
でも・・・
6/7(金) 晴
処刑人には私がまだ知らない人が関わってることを知りました。
あの名前は聞いたことが無い。まだいるのでしょうか。
いや、もしかしたら遠藤さんのような田村さんの知り合い・・?
6/8(土) 晴
施設の人の怒った声を思い出します。
「あなた達、一緒になってイタズラしてるんじゃないんですか?」
あなた達、ということは前に誰か来たんだ。
田村さんだ。そう思った。でも聞いてみると違った。
今日、田村さんにその人のことを聞いてみました。
田村さんは急に泣き始めました。
ずっと泣いてました。
6/9(日) 晴
一日たって落ち着いたのか、今日の田村さんはその人の名を聞いても泣き崩れたりはしませんでした。
「奥田さんって誰なの?」
田村さんは私の言葉に耳を傾けてくれました。
そして話してくれました。
私にはとても辛い話だったけど、しっかり聞きました。
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