ストーリー 僕の日記

第14週「無情」


11月27日 月ようび くもり
村上さんとたくさんおしゃべりしました。
おじさんが先生やってることとかアッキーが学校にきたこととか。
おどろいたりいっしょにわらってくれたりしました。
村上さんもりょこうに行ったおはなしとかしてくれました。
おべんきょうのためにアメリカに行ってたそうです。
やっぱりはなせるひとがいるとたのしいな。
ちょっぴりげんきになりました。


11月28日 火ようび はれ
学校のおはなしをしてるとみんなのことを思い出してしまいます。
あつし君、げんきかな。おじさんもちゃんと先生やってるのかな。
ぼくのことわすれていないかな・・・
おなかのいたみはどんどんひどくなるばかりです。
学校にはまだもどれそうにありません。
はやくもどりたいな。


11月29日 水ようび くもり
村上さんもやさしくしてくれます。でもなんかちがうんです。
村上さんにはふつうにやさしくされるよりもっとたのしいことをしてほしいんです。
おじさんがいたときみたいに。
けどもうそんなことをしてくれるけはいすらありません。
ふつうのかんごふさんです。みんなとかわりません。
さびしいです。


11月30日 木ようび はれ
がっこうにもどりたいな。ボソっともらしてみました。
村上さんはえがおで「すぐになおるから。もうちょっとまってね。」とかえしてくれました。
「みんなにあうだけでもいいから。」と言うと村上さんは少しおこった顔になりました。
「なおや君。おたのしみはあとにとっておかなきゃダメよ。」
ぼくはしぶしぶうなずきました。でもがまんするのはつらいです。
ちょっとだけでもいいのに。


12月1日 金ようび はれ
しゅじゅつはらいしゅうにきまりました。みんなにもおしえてあげたいです。
村上さんに言うと「しつこいのはだめよ。」とおこられました。
だけどもししゅじゅつにしっぱいしたら、ぼくはみんながしらないまま・・
とてもふあんになりました。このふあんをわかちあってくれるひとがいません。
ねぇ村上さん。ぼくこわいよ。とってもこわくなってきたよ。
「大丈夫。」としかこたえてくれませんでした。


12月2日 土ようび くもり
ぼくはわがままを言いました。
なみだをポロポロこぼしながら村上さんに言いました。
みんなにあわせて
村上さんはおこらず、やさしくぼくのあたまをなでながらこたえました。
ごめんね。それだけはできないのよ・・・
村上さんんは泣くのをこらえてました。目になみだがうっすらうかんでます。
ぼくはそれいじょうなにもいえませんでした。
なみだだけがこぼれてました。


12月3日 日ようび くもり
村上さんにきかれました。「本当に『めずらしいびょうき』としかきいてない?」
ぼくはうなずきました。そしたら村上さんはかおをふせてむこうをむきました。
どうしたの?ぼくがきてもうしろをむいたままこたえてくれません。
しばらくそのままでいると、ボソリと「かわいそうに・・。」って。
ふりかえって・・・とてもかなしそうな目をして・・・村上さんは行ってしまいました。
ひとりのこったぼくは思いました。
もうダメなんだ。


第15週「審判」