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ストーリー 僕の日記

ъ( ゚ー^)<いち


第1週「遭遇」

8月28日 月ようび はれ
この時期に入院するのはけっこうおトクかもしれない。
9月になっても夏休みが続くみたいでなんかうれしいです。
でも自由研究まだやってなかったなぁ。どうしよう。
となりのベッドのおじさんの観察日記でも書こうかな?
トトロみたいで面白い。あんなにおいしそうにごはんを食べる人は初めて見ました。
だけどくさいのだけはかんべんして欲しいな。
気になって眠れないです。


8月29日 火ようび はれ
今日はポケモンの日です。
隣のおじさんも一緒に見てました。ピチューがお気に入りのようです。
ぼくはピカチューが好きだけどピチューも好きです。おじさんとは気があいそう。
でもこの部屋にはこどもばっかなのになんでおじさんがいるんだろう?
かんごふのおねえさんに聞いてみました。
「なおや君。世の中にはね、ふれちゃいけないことがあるのよ。」
だそうです。せけんではそのことをたぶーと言うらしい。ひとつ勉強になりました。
今度みんなにおしえてあげよっと。


8月30日 水ようび はれ
おじさんはとってもおっきいです。
体じゅういくらあるのかな?100トンくらいあるかもしれない。
なんでこんなにおっきいんだろう?
今日もかんごふの村上おねえさんさんに聞いてみました。
「なおや君はこうきしんおーせーなのね。」とほめてくれました。
村上さんはいつもぼくのしつもんに答えてくれるものしりはかせです。
おじさんがなんでおっきいのかも知ってました。
「ブタはね。よく食べるからブタなのよ。」
そういえばブタとたぶーって似てる。おじさんはよく食べるし、みためもブタみたい。
おじさん、ひょっとしたらブタにんげんなのかも!
ちょっとこわいです。


8月31日 木ようび すこしあめふり
今日はいつものポケモンです。ピカチューはいつ見てもかわいいです。
おじさんもよろこんで見てました。今日は村上さんもいっしょでした。
村上さんもピカチュー好きなのかな?聞いてみました。
「オトナはね。ピカチューよりナマチューなのよ。」
ナマチューってなんだろう。そんなポケモンいたっけな?
おじさんはピカチューも好きだからまだコドモなのかもしれない。
ピカチューが出るたびによだれをたらすのはおじさんなのにコドモだからなのかなぁ。
おじさんってふしぎ。


9月1日 金ようび くもり
みんなは今日から学校だけどぼくはおやすみです。
おじさんは学校にはいかなくていいのかな?ずっとおやすみなのかなぁ。
ぼくは退院したらいかなくちゃいけないのに。ちょっとうらやましいな。
けどどうしておじさんは入院してるんだろう。
村上さんがおじさんをつっついて遊んでました。おじさんはなんだかよろこんでます。
ぜんぜん病気には見えません。村上さんに聞いてみました。
「なおや君はからだが悪いから入院してるんでしょ?でもこのおじさんはね。あたまが悪いの。」
あたまが悪いと入院しなくちゃいけないんだ!
ぼくもちゃんとべんきょうしないと一生家にかえれなくなっちゃう・・・
どうしよう。


9月2日 土ようび はれ
おみまいにピカチューのぬいぐるみをもらいました。
手のひらにのっかってとってもかわいいです。
でも、せっかくもらったのになくしてしまいました。
村上さんにもさがしてもらったけど見つかりません。
どこに置いたのか忘れちゃった。ベッドの下にもありませんでした。
おじさんはなにかおいしいものを食べててごきげんです。
おくちいっぱいにつめこんでモグモグしてました。
おじさんはきらくでいいなぁって思ってると、村上さんがおじさんの頭をバインダーのかどでぶちました。
村上さんはきれいな人なのにやることはカゲキです。
おじさんの口からへんなかたまりがでてきました。
思い出したくありません。


9月3日 日ようび はれ
おじさんは本当はこの病院にいてはいけない人なんだそうです。
なんだか色々もんだいがあってここにおいてもらってるらしい。
「ゴミはゴミ箱じゃないところすてちゃダメでしょ?だからね。このおじさんもすてられないの。」
と村上さんが言ってました。おじさんってゴミなんだ。だからくさいんだ。
だけどおじさんはぜんぜん気にしてないみたいです。
ときどき変なふうに笑うのは気持ち悪いけど見てて面白いです。
やっぱり自由研究はおじさんの観察日記にしよう。
がんばるぞー。



第2週「調査」
9月4日 月ようび くもり
村上さんがおじさんに注射してました。痛そうです。
終わったあと、村上さんは注射器をながめて「あ、まちがえた。」と言ってました。
おじさんはなぜかとっても気持ちよさそうな顔してます。
目がぼんやりとしてよだれまでたらしちゃってる。
しばらくするといつものおじさんに戻ってしまいました。
なんだったんだろう。


9月5日 火ようび あめ
おじさんがみょうにそわそわしてます。
おなかが空いてるのかと思ってぼくのバナナをあげました。
バナナの先をうでにぎゅうぎゅうこすりつけてました。
しばらくすると飽きたらしく、つぶれたバナナを皮ごと食べてしまいました。
そのあとまたキョロキョロいそがしそうに顔を動かしてました。
何かさがしてるのかな。


9月6日 水ようび くもり
おじさんの食べっぷりが面白いので、みんなでおかしをあげました。
ぜんぶ食べ終わるとキョロキョロなにかをさがしはじめます。
そこにおかしをあげると、しばらくうでに押しつけてからグシャグシャになったのを食べます。
おじさんは変な習性をもってることがはんめいしました。
でもちょっとやりすぎちゃって村上さんに怒られてしまいました。
今おじさんのベッドの横には「エサをあたえないで下さい」ってはりがみがはってあります。
おかしをあげるのはもうダメらしい。
ざんねん。


9月7日 木ようび ちょっとあめ
テレビにピカチューがうつるとおじさんは変な声でさけびました。
びっくりして見てみると、まるまってわんわん泣き始めました。
目がいたいらしく、目をおさえて「めぇーめぇー。」とさけんでました。
ひつじみたいな泣き声です。なんでこんなに泣いてるんだろう。
村上さんが「ピカチューのこうせんにやられたのね。」と教えてくれました。
アニメを見るときはへやをあかるして見なきゃ、ピカチューに目をつぶされるんだそうです。
おそろしい・・


9月8日 金ようび くもり
おじさんがあばれました。何かを欲しがってるみたいです。
わぁわぁ泣いてうるさかったです。村上さんがなぐるとおじさんは黙りました。
こんどはしくしく泣きはじめました。なんだか見ててかわいそうです。
なにが欲しいんだろう。村上さんも考えてたました。
でも村上さんはなにか思いついたようです。
にやっと笑って「あしたあげるからね。」と言ってました。
気になる。


9月9日 土ようび はれ
すごいことがはんめいしました。
村上さんが注射すると、おじさんがしゃべってくれます!
気持ちよさそうな顔になったと思ったら、きゅうに目がおおきくひらきました。
「ハッ!ここはいったい・・・・。」ってしゃべりました。びっくり!
でもすぐにまたもとに戻ってしまいます。
おじさんがしゃべるのはぼくと村上さんだけのひみつにしました。
「こんどはもっとキツイのにしてみよっか。」と村上さんとひみつの約束までしてしまいました。
とっぷしーくれっとです。


9月10日 日ようび はれ
おじさんがふしぎなことになりました。
村上さんがこい色の注射をうつと、気持ちよさそうな顔をしたあと
きゅうに「おおおおおおおお!?」って大きな声をあげました。
ぼくたちがびっくりしてると、おじさんは村上さんを見るなり抱きつきました。
「サキちゃん!やっと会えたね!」って。
村上さんの名前はたしかあゆこです。グーでなぐられてました。
なぐられてもしあわせそうな顔してました。
今おじさんはニヤニヤよだれをたらしながらねてます。
ぼくはなぜかとってもこわいきもちになりました。
ねむれません。



第3週「実体」
9月11日 月ようび すごいあめ
おじさんにはなしかけられました。
「ねぇ。君はなんでこの病院にいるの?」って。
いきなりはなしかけられてびっくりしました。
ぼくはからだがよわい体質で何度か入院してることをきちんと答えました。
おじさんはフンフンと鼻をならしてうなずいてました。
しばらくだまったあと、またはなしかけられました。
「じゃぁ木の葉っぱが全部おちたら死んじゃったりするんだ。」
しません。


9月12日 火ようび くもり
おじさんに村上さんの名前を聞かれました。
あゆこだったと思いますって答えると、ムフーってよろこんでました。
「あゆ〜。」って言いながらまくらに抱きついてます。
はなしついでにぼくはいちばん気になってたしつもんをしてみました。
おじさんはなんで入院しているの?
おじさんはきゅうに目をほそめてまどの外をながめました。
「ラブシック。恋のやまいサ。」
おくがふかいです。


9月13日 水ようび くもり
おじさんがしゃべるようになったのがもんだいになってるみたいです。
村上さんが「えんどうさん。なおったなら退院してもいいんですよ。」って言ってました。
おじさんの名前はえんどうって言うらしい。知らなかった。
おじさんは退院する気はないみたいです。言い返してました。
「あゆ。そんなこと言うなんてお前らしくないゾ。」
かかとでけられてました。まわりげりです。
村上さんとおじさんって知り合い?
でも名前知らなかったし・・・
なぞです。


9月14日 木ようび すこしあめ
村上さんにおじさんと知り合いなのか聞いてみました。
すごいいきおいで否定してました。
「なおや君。私がブタと知り合いなワケないでしょ?」
たしかに年がはなれすぎてます。
それにキレイな村上さんとこのおじさんじゃちょっとつりあわないなって思ってました。
おじさんが「見つめるなよ。てれるじゃないカ。」って言いました。
村上さんはにらんでるだけでした。
すれちがってます。


9月15日 金ようび はれ
おじさんが退院させられるそうです。
お金のはなしとか病院のつごうとかどろくさいはなしが聞こえてきます。
オトナの世界をかいま見てしまいました。
「ボクには待ってる人がいる。でも、あゆを置いていくわけにもいかナイ。」
とおじさんはよくわからないことを言ってました。
こんなめずらしいおじさんを観察できなくなるのは残念です。
ちょっとさびしいな。


9月16日 土ようび おおあめ
おじさん、つれていかれちゃいました。
観察日記ができなくなっちゃう。でもオトナの事情だから仕方ありません。
おじさんはひっしに抵抗してたけど、あっけなくやられてました。
村上さんはニコニコしながらなかゆび立てて見送ってました。
さいごにおじさんはすごい声でさけんでました。
「ゆぅーーーりあぁぁーーーー!!」
だれ?


9月17日 日ようび くもり
おじさんが戻ってきた!すごいいきおいで。
でもなんだかようすがおかしいです。
「愛ゆえに愛ゆえに!」と叫びながら村上さんに抱きつきました。
すぐにアッパーをくらってましたが、そのいきおいでぼくのベッドに飛んできました。
思わずぼくと目があいました。そしたら。
「抱いてくれないとこいつくっちまうぞゴルァ。」って。
村上さんはやめなさいって叫んでおじさんは「愛を下さい!」と叫んでて・・
今でもおじさんはぼくの横でフウフウ鼻をならしてます。暑苦しいです。村上さんはいません。
ぼく、人質になったっぽい!
ドキドキです。



第4週「処理」
9月18日 月ようび はれ
おじさんと村上さんたちのこうぼうが続きます。
エサをあげたりピカチューのぬいぐるみをあげてもおじさんはなっとくしませんでした。
「なおや。ボクはホントはこんなことしたくないんだ。あゆが冷たくするから。」
おじさんがなげいてました。なぜかぼくも呼びすてです。
村上さんは「私を抱いていいのはトムクルーズだけよ!」って叫んでました。
そのあいだぼくはずっとおじさんのおなかをプニプニさせてました。
すごいだんりょくです。


9月19日 火ようび はれ
ずっととなりにおじさんがいるのでとってもくさいです。
汗をかいてるのでぼくのベッドもぐしょぐしょにぬれてしまいました。
おじさんにそのことを言ったらなぜかニヤニヤしてました。
「どこがぬれてるんだ?え?キミの口から聞きたいナァ。」
ベッドがぬれてるだけなのに。なにが楽しいんでしょうか。
「あゆにも言わせたいね。グフフ。」って笑ってました。
いみがわかりません。


9月20日 水ようび はれ
おじさんはいよいよダメっぽいです。村上さんにとどめをさされてました。
「ボクのドコがいけないんだ。」って言ったときです。
村上さんがすごいいきおいで答えました。
「目と耳と口と鼻と顎と額と髪と髭と顔と胸と腹と腕と足と指と爪と産毛と骨と
それらすべてにまとわりつく異常な匂いを醸し出すその醜い脂肪の塊が嫌なの。」
(漢字は全部村上さんに教えてもらいました)
おじさんは止まってしまいました。おなかのプニプニもなぜかなくなってます。
固まっちゃっいました。


9月21日 木ようび はれ
おじさんがおもいつめたような目でお腹を見つめてました。
下をむいてお腹の肉をひっぱってはなしてをくりかえしてました。
ぼそぼそと「トムクルーズなら・・トムクルーズなら・・」ってつぶやいてます。
村上さんたちはもうおじさんのことはほっといてるようです。
「バカにはね。ほうちプレイがいちばんなのよ。」って言ってました。
よくわからないけど、おじさんはもう見捨てられたらしい。
ひとりさびしくお腹をいじるおじさんはちょっとさびしげでした。
どうなっちゃうんだろう。


9月22日 金ようび くもり
おじさんがこわれました。お腹の肉をひきちぎるんだって。
うでのお肉にかぶりついて血まで流してました。
ぼくが止めても「この肉のせいで!」って泣きながら叫びます。
みんな(村上さん以外)で止めてようやくやめさせた時には
うでも真っ赤になってめそめそ泣いてました。
あまりにせつなくなったのでぼくは言ってあげました。
やせたおじさんなんかおじさんじゃないよ!
おじさんは顔をあげて目をかがやかせました。
「飛べないブタはただのブタか!」
よくわからないけどうなずいておきました。
おじさんにだきしめられました。「ありがとうなおやっち!ありがトン!」
ひとりオイオイ泣いてたけどぼくはにおいが気になってしかたなかったです。
やっぱやせた方がいいかも。


9月23日 土ようび あめ
別れは突然でした。
「決めた。ボクはトップガンに入る!」そう言い残しておじさんは去りました。
さいごにあくしゅした時のおじさんの手はとてもしめってました。
おやゆびを立て、「あいるびーばっく。」と言いながらドアの向こうに消えていきます。
村上さんは「NON!」とあっさり切りすててました。
トップガン。これに入るとトムクルーズ゙になれるんだそうです。
おじさん、トムクルーズになれたら戻ってくるよね。
だいじょうぶかな。太っててもトムクルーズになれるのかな。
誰もいないとなりのベッドを見ながら、ぼくはおじさんのせいこうを祈りました。
きのうまでは耳をすませばおじさんのはないきが聞こえてきたのに。
今はもう聞こえません。くさいにおいもありません。
けどおじさん。いつかまた会えるよね!
それまで・・・さようなら。


9月24日 日ようび はれ
ぼくもそろそろ退院できることになりました。
長かったぼくの夏休みももうおわりです。
けっきょく自由研究は「はたらくおねえさん」にしました。
村上さんのことをかくつもりです。きょかももらいました。
おじさんとの思い出は少なかったけどきょうれつでした。
今でもあのにおいを思い出すと気持ち悪くなってしまいます。
村上さんは「やっと処理できたわね。」と笑ってました。
ぼくもいっしょに笑いました。笑ってないと泣いてしまいそうだったから。
おじさん。こわかったりくさかったりしたけど面白かったよ。
「おもちゃがなくなると、それはそれでさびしいね。」
村上さんの言うとおりです。
いつもはつまらない入院も今回はおじさんのおかげで楽しかった。
本当なら毎日・・・・はちょっとヤだから
たまになら会いたいな。冬だったらあったかそう。
おじさん。はやくトムクルーズになってきてね。ぼくはずっと待ってるよ。
おじさんならなれるさ。太ったトムクルーズに!

・・・カッコワルイなぁ。


(゚∀゚)<に