第11週「疑惑」の続き

11月11日 土ようび はれ
おじさんが来てました。おしょくじかいは本当にやるようです。なかにわで女の子たちがくるのをまってます。
ぼくはじゅぎょうがおわるとすばやくなかにとんできました。そしてスルスルとおじさんのもとへ。
「ゃぁなおやっち。今日はざんねんだけど女の子だけなんだよ。男の子はたくさん食べるからよさんがねっ」
よゆうちゃんです。ぼくはあさからねってたさくせんをかいししました。
「みんなこないって」
おじさんの目がすごいいきおいでおよぎました。これ以上ないあせりっぷりです。
「ままままままじぇっすか!?」どもってます。かわいそうだけどぼくはうなずきました。
女の子たちをケダモノからまもるためです。心をおににしておいうちをかけました。
「『先生くさいからヤダ』って言ってた」もちろんウソです。
でもそのあとのなげきっぷりと言ったらなかったです。かわいそうすぎて見てられませんでした。
自分のからだのにおいをかいではスンスンとなきごえをあげて・・・
そしてとぼとぼとかえっていみました。せなかがすすけてます。
とてもイヤなきもちになりました。これはちょっとやりすぎた?
あとから来た女の子たちにおじさんがかえったことをおしえると「えー楽しみにしてたのにー」とかなしんでました。
やっぱりぼくはまちがったことをしたのでしょうか。むねがシクシクいたみます。
もしかしたらおじさん、本当にじゅんすいなきもちで教え子とせっしたかっただけなのかも。
なのにぼくはかってなかいしゃくでみんなとの仲をひきさいてしまった。
ああ、ぼくはなんて悪い子なんだ!

11月12日 日ようび はれ
おじさんにあやまりにいきました。ここまじゃ足をむけてねれません。
おじさんちにむかってると、とおくできょたいがうごめいてるのが見えました。
おじさんです。テクテクいそぎあしで歩いてました。どこに行くんだろう?とりあえず付けてみることにしました。
歩いてるとこうえんにつきました。誰かをまってるようです。
ぼくは回り込んでそばの木のかげにひそみました。少しの間いきをひそめてると、誰かやってきました。
「おや。やくそくのものはどうした?」そいつが言いました。かげになって顔がよく見てません。
おじさんは「あの、それが、ちょっとつごうつかなくて・・」ときよわになってます。
「なんだと?それじゃあアレは教えられないなぁ」となぞのじんぶつはいいはなちました。
なんかどっかで聞いた声です。でも誰だか思い出せません。
「いや、その、そのかわりコレはちゃんと手に入れました!」
おじさんがカバンからごそごそ何かをとりだしました。何本か棒みたいな・・・ってリコーダーじゃん!!
「おおおお!スバラシイ!ちゃんとびしょうじょげんていだろうな?」
「よりすぐりですよ。ウフフフ」などとおじさんがほざいてます。犯人はおじさんだったの!?でもなんで?
ぎもんに思ったのもつかのま、答えはすぐにわかりました。
「よしよし。これならまぁいいだろう。やくそくどおりアレを教えてやろう。・・・トムクルーズになる方法を!」
そのことばと同時に、日が射してきてそいつの顔が見えました。
・・・・アッキー・・・
ぼくはもうげんなりしてズルズルとそのばにへたりこみました。
ふたりが帰ったあともしばらく起きる気がしなかったです。
なにやってんだこの人たちは。

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