絶望の世界∀ −もうひとつの私日記−
第9週
12/4(月) 曇
久々に学校に行きました。岡部先生は喜んでましたがこの人の功績ではありません。
レオンさんを探すためだけに、孤独に耐えて来たんです。
絶対ここにいるはずです。
12/5(火) 晴
牧原さんグループの残党は全て怪しく見えます。
板倉さん?細江さん?それとも田村さん?
彼女達なら男のフリなんてのもやりかねない。
それに、みんな私と目を合わせようとしませんでした。
この中にレオンさんが?
12/6(水) 晴
MLはもう平和になってます。でもレオンさんだけ書き込んでません。
告発するわけでもなし。何もしないなら、なぜメールなんて送ってきたの?
例の残党はいつも一緒ですが、たまに私の方を見たりします。
何か言いなさいよ。
12/7(木) 曇
私の方から言ってやりました。レオンさんに直接メールです。
「私を知ってるのなら、堂々と話しかけたらどうですか?」
直接会うのは怖いですが、このまま不気味に黙ってられるのはもっと嫌です。
ハッキリさせないと。
12/8(金) 晴
来ました。例の三人が。
おどおどしながら私の元に。そして口を開きました。
「あの、イジメちゃって・・ごめんなさい。」
消え入るような声でそれだけ言うと、みんな顔を伏せてすぐに行ってしまいました。
レオンさんとは関係ない?私は呆気にとられました。
でもそれは違ったようです。夜。レオンさんからメールが届きました。
「明日、放課後二人で会おう。」
なんだ。他の二人に知られたくなかったのね。
12/9(土) 晴
放課後。私はずっと教室に残ってました。
例の三人はすぐに帰ったんですが、誰かが戻ってくると思ってました。
でも誰も来ません。いつまで待っても来ないんです。
岡部先生に「どうした?用が無いなら早く帰れ。」とまで言われたんですが
私だけ約束を破って帰るわけにもいきません。
仕方なく「人を待ってるんです。」と答えておきました。
そして、言われました。「それならもう来てるじゃないか。」
思わず先生の顔を見ました。苦虫を噛み潰した様な渋い顔をしてました。
「俺がレオンだ。」
私は逃げました。
12/10(日) 晴
どうしてこうなるんでしょう。
私はただ、MLでひっそりと生きていたいだけなのに。
ちょっとくらい嘘付いたっていいじゃない。誰にも迷惑かけてないんだから。
なぜみんな私の小さな幸せを奪うの?
そっとしといてよ!
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