絶望世界 もうひとつの私日記

第14週


1/8(月) 晴れ
家に居たくありません。MLまで私を苦しめます。
その元凶はわかってます。牧原さん、岡部先生と来たらから間違い有りません。
メリルさん。この人も学校の人。そして家まで攻めて来た。
こいつを取り除かないと、私に居場所はありません。
闘うしかない。明日、学校に行きます。
行けばきっとなんとななる。話し合えば、わかってくれる。
頑張ります。


1/19(火) 曇
甘かった。学校で待ってたのは、想像以上のイジメ。
板倉さん。田村さん。細江さん。三人相手に勝てるわけがありませんでした。
よくもノコノコ来れたわね。牧原ちゃんのカタキ。岡部先生のカタキ。
彼女たちはそう言って私を袋叩きにしました。
私の体はアザだらけ。


1/10(水) 曇
今までの陰気なイジメじゃない。これは暴力。暴力です。
一度顔を出したのが失敗でした。また学校をさぼると家を燃やされます。
靴は既に燃やされました。髪も少し焦がされました。
腕に「ヒトゴロシ」と刻まれそうになり、血がダラダラと流れていきました。
叫んでも叫んでもやめてくれません。
死んでしまいます。


1/11(木) 曇
腕の痛みをこらえながら、私はMLに救いを求めました。
ダグラスさん、助けて下さい。
言おうと思った矢先に、メリルさんの発言がありました。
「ダグラスさん、sakkyの正体知りたがってたわよね。教えてあげるわ。
sakkyこと岩本早紀はイジメられっ子。学校で人気だなんて嘘なのよ!」
携帯を握りしめたまま私は泣きました。
泣くしかありませんでした。


1/12(金) 晴
ダグラスさんの言葉が身にしみました。
「それ本当?どうなんだよsakky。正直に言ってくれ。例えイジメられっ子でも俺は全然平気だから。本当のことを言ってくれ。」
私の中で全てが許された気がしました。言おう。正直に。これ以上嘘はつかなくていい。「ごめんなさい。嘘を付いてました。本当にごめんなさい。」
ダグラスさんはすぐに返事をくれました。「いいよ別に。俺はそういう正直な人が・・」読んでる最中、もう一通メールが届きました。メリルさんからです。
「あんたらバカじゃないの?」
黙りなさい。


1/13(土) 曇
板倉さんに携帯を奪われました。田村さんと細江さんに画面を見せて叫んでます。
「メールで恋するおバカさんたち。私を差し置いて何やってるの?」
メリルさん。この人がそうなんだ。私は察しました。
だけどその次の言葉で、私は凍り付きました。
「このMLはね。私と岡部先生と牧原ちゃん。映画好きの三人で始めたものなの。
でもネットって色んな人が勝手に入ってくるのよね。ダグラスってのが加わって、
その後はお察しの通り。sakky、あんたが入ってきたのよ。」
え?
私が何か言おうとすると、田村さんにぶたれました。細江さんに蹴られました。
そしてメリルさん・・・板倉さんに、携帯を投げつけられました。
何の言葉も出ませんでした。


1/14(日) 晴
ダグラスさん個人にメールを送りました。
ダグラスさん。逃げましょう。私と一緒に逃げて下さい。
彼は優しく返してくれました。
「どうしたんだよsakky。様子がおかしいけど。何か大変なことになってるの?」
そうです。その通りです。だからお願い。私を新しい世界へ連れてって下さい。
「sakky落ち着いて。そんなこと言っても処刑人とか色々問題残ってるじゃないか。」
ああ、処刑人。それなら大丈夫。大丈夫なんです。
私が何とかしますから。


第15週