絶望世界 もうひとつの私日記

第18週


2/5(月) 曇 
お父さんはもう私に「学校はどうした?」とは聞かなくなりました。
携帯電話をいじりながら泣いてる姿を見られたからだと思います。
ただただ無言で睨まれるだけです。
こんな家、早く出たい。


2/6(火) 曇
私が「処刑人じゃない。」と何度否定しても、風見さんは信用してくれませんでした。
「早紀、俺だって怖いんだよ。だってもう三人も消えちゃったじゃないか。」
それは処刑人がやったわけで私とは関係ありません。
なぜそれをわかってくれないの。


2/7(水) 雨
あの優しかった風見さんまでもが敵になってしまいました。
「メリルさんも言ってたけどさ。やっぱり早紀が来てから何かがおかしくなったんだよ。」酷いこと言わないで下さい。私のダグラスさんはそんなこと言わなかったはずです。
どうして。


2/8(木) 晴
「処刑人、残りあと一人って言ってたじゃないか。残ってるのは俺と早紀しかいないんだ。君を疑いたくなるのも当然だろ?わかってくれよ!」
わからない。私にはわかりません。どうすれば納得してくれるんですか。
私は何をすればいんですか。


2/9(金) 晴
何をすべきなのかわかりました。
「早紀、本当に処刑人について何も知らないのか?知ってたら説明してくれ。そうしたら納得できるから。君にもちゃんと会えるから。」
私が処刑人を呼んだことを言えば、彼は納得してくれます。
言うべきなのでしょう。言うべき。言うのよ早紀。
正直に。


2/10(土) 曇
言えませんでした。だって、言ったら絶対嫌われるから。
「私が処刑人を呼んだ。」と言って信じてくれるはずがありません。
あの優しかったダグラスさんだったら言えたのに。今の風見さんは私を疑ってる。
私が処刑人を呼んだことを知ったら、嘘だと言うに決まってます。
会ってもくれない。メールも送れず、一人でずっと泣いてました。
誰も信用できない。


2/11(日) 晴
処刑人が現れました。
「決まったな。最後の標的はダグラスだ。信用できねぇ奴なんざ処刑しちまえ!」
風見さんは「おい、待て。処刑って何だよ。殺そうってのか?何なんだよ!」と焦ってます。
私は何も言いませんでした。


第19週