絶望の世界∀ −もうひとつの私日記−
第23週
3/18(月) 晴
お兄ちゃんが帰りました。
また一人で家に帰ることになります。
けど後少しですぐ春休み。もう授業もない。
学校に行かなくなる。
外に出なくなる。
3/19(火) 晴
帰宅するのにわざと遠回りしてなるべく長い時間外にいるようにしました。
どこかに遠藤さんがいるかもしれないと思いました。探しても見つかりませんでした。
家に帰るとドアホンが鳴るのを待ってました。でも鳴らない。秋山君は来ない。
せっかくお兄ちゃんがいなくなったのに。
3/20(水) 曇
終業式です。これでしばらく学校には行きません。
田村さんを見かけたけどすぐに行ってしまいました。
帰宅中、ずっと周りを気にしてました。前を歩く人、後ろを歩く人、すれ違う人。
遠藤さんや秋山君は見つかりません。けどお仲間は?まだ私が会ってない人がいるはず。
道行く人は、誰も私に話し掛けてはくれませんでした。
3/21(木) 晴
外に出ました。特に目的地はないけどとにかく外に。
学校の近くにも行ったし駅も朝昼夕方どの時間にも顔出すようにしました。
知ってる顔は見つかりませんでした。知らない人でも、誰とも目が合わなかった。
一日中歩いて疲れました。
3/22(金) 曇
遠藤さんの電話番号を書き残してないか探しました。
メモはありませんでした。携帯のメモリにしか入れてなかったから。
今は新しい携帯。誰も番号を知らない。
でも私のことは知ってる。私を知ってる人は何人もいる。
私がその人を知らなくても。
3/23(土) 雨
家に誰か来ないか気になって仕方ありません。
ドアホンが鳴るのが待ち遠しい。でも鳴らない。
段々怒りの感情が芽生えてきました。
何。何なの。みんな何なのよ。
気持ちの準備だけさせておいて。せっかく覚悟を決めたのに。
私はここで待ってるのに。
3/24(日) 晴
学校の連絡簿には電話番号が載ってる。
携帯の番号は前の携帯と共に消え失せました。けど自宅の番号はここに。
田村さん。あなたはまだいるよね。
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