絶望世界 もうひとつの私日記

第26週


4/8(月) 晴
学校が始まりました。
田村さんはいませんでした。
始業式だけだから早く帰れました。
寄り道せずに帰りました。


4/9(火) 曇
新しい担任の先生は受験勉強の話をしました。
周りのみんなもそれなりに何か考えてるようです。
幸せな人たちです。


4/10(水) 曇
田村さんは学校に来てない。
新しいクラスに顔を出すのはとても勇気がいるのに。
報われませんでした。
もう勇気を出す必要なんて無いのかもしれません。


4/11(木) 晴
お兄ちゃんが家に遊びに来ました。仕事は順調だそうです。
普通の人と会話すると現実感が戻ります。
そして余計に自分の境遇が浮き彫りにされ、激しい劣等感に襲われます。
いつも以上に寂しさが沸きあがり、夜には思わず部屋で泣いてしまいました。
早く全て諦めたい。


4/12(金) 雨
お兄ちゃんは明日から仕事なので戻ってしまいました。
暇だったら料理を教えてもらおうかと思ったけど仕方有りません。
忙しい人は羨ましいです。私には何の予定もない。
前にはお料理会があったのに・・・
ああ。全然諦めきれてない。


4/13(土) 晴れ
自分から飛び込むしか、この寂しさを解消する方法はない。
お兄ちゃんのように普通の生活に馴染める能力があれば、それができる。
教室の周りを見渡して私の周りにいる普通の人たちの表情を観察してみました。
みんな生き生きしてる。
どうも私には新しい関係を築き上げるのは難しいようです。


4/14(日) 曇り
また部屋で泣きました。
お兄ちゃんに会って以来、「普通の人」と私の差を意識せずにはいられない。
確かに悪いことをしてきました。でも反省してるんです。
罰して欲しいんです。ちゃんと罪を償いたいんです。
誰か聞いて。私の声を。
願いを。


第27週