絶望世界 もうひとつの私日記

第31週


5/13(月) 晴
まずは何をしよう。
メールから辿るのは厳しいかもしれない。
他に方法はあるのでしょうか。


5/14(火) 曇
本人から得た情報を考えてみました。
最初からずっと私を見ていた。あのメーリングリストを始めた時から。
あの人たちは彼のことを知ってたのかな。


5/15(水) 曇
昔のツテを辿ろうにも、残ってるのは一人しかいません。
何度も教室を覗き込んだけど彼女がいる気配はありませんでした。
クラスの人に聞いてみると、彼女は今学期に入ってから一度も来てないそうです。
ずっといなかったんだ。


5/16(木) 雨
家にいるのは分かってる。
でも話を聞いてくれるのでしょうか。
また門前払いされるかもしれない。
親御さんにも嫌われてしまったから。


5/17(金) 雨
ここで踏み出さなければ何も変わらない。
せっかく解放されたのに、動き出さなきゃ意味が無い。
普通に会話するくらい、私にだってできるはず。
お兄ちゃんのようにやればいいい・・


5/18(土) 曇
勇気は出してみるものです。
嫌われてたって同じこと。そう思って田村さんの家に行ってきました。
弾かれるのを防ぐ為に親御さんに言うコメントを考えてたけど、使わずに済みました。
逆に「話をしてあげて。」と言われるとは思わなかった。
部屋に通されると田村さんが笑顔で待ってました。
彼女は既に壊れてました。


5/19(日) 雨
「私は自殺しないよ。絶対に。」
昨日の田村さんの言葉がまだ耳に残ってます。
「田村さんに何をしたの?」私は彼にメールを送りました。
しばらくしたら返事が来ました。
「会っただけだよ。あれ?あの子まだ生きてるの?」
今回は私が無視してやりました。


第32週