絶望世界 もうひとつの私日記

第33週


5/27(月) 雨
板倉さんの家は既に引っ越してました。
昔の名簿の電話番号は通じず、今の名簿には住所も載ってません。
岡部先生も同じでした。もう名簿から外されてる。
知らないうちに時が流れてる。


5/28(火) 晴
牧原さんの家は引っ越してません。
電話をかければ母親らしき人が出てくれます。
でも牧原さんの友達だと言っただけで切られてしまいました。
前もこんな感じだった気がする。


5/29(水) 曇
無理に押しかけたら怒られてしまいました。
牧原さんはまだ行方不明になってるはずだから「一緒に探しましょう。」と言っただけなのに。
「もう死んだからいい。」としか言われない。
あまりに頑なに拒否するものだから、何かあったのかと思いました。
単なる行方不明でなく、死んだと諦めざるを得ない何かが。


5/30(木) 曇
板倉さんの家族も岡部先生の家族も音信不通。
牧原さんの親は娘との関わりを拒否する。
処刑人は家族すらも巻き込むのでしょうか。
周りの人々まで不幸にするのでしょうか。


5/31(金) 曇
細江さんが入院している場所はどこかわかりませんでした。
家に問い合わせても教えてはくれませんでした。
私が気付くのが遅すぎた。過去の人を放っておきすぎた。
処刑人は始めに居たのに、私がぐずってる間に手の届かないへ逃げてしまった。
関わった人から辿られぬよう、痕跡まで消して。


6/1(土) 曇
やっぱり無理なんでしょうか。
頼りの本人からのメールも届かない。
このまま辿り着けなければ、処刑人はやっぱり私の妄想の産物だということに?
そう言われても否定できない。証明できないから。
自信もありません。


6/2(日) 晴
田村さんの家に立ち寄り、進行状況を報告しました。
田村さんはいつものように笑ってるだけで何も話してくれませんでした。
どうしようかと途方に暮れてたのですが、そこで思わぬ情報が入ってきました。
細江さんの病院がわかった。
どうも以前田村さんが調べてたようです。それを親御さんも覚えてて「何かの参考になるかも。」と教えてくれました。
田村さんは細江さんに会いに行ったのでしょうか?
行ってみる価値はありそうです。


第34週