希望世界 まめ日記

第十週「道化」


2月21日(月) くもりぃ
勇者ボレロの旅が始まった。
パトリシア号に乗って町に繰り出してきた。キシキシいってたから今度油を差しておこう。
忌まわしき横浜まで行ってみた。過去二回も計画が失敗した場所だ。
三木抹殺計画はギリギリになって計画中止になった。カノンから突然待機要請が来た。
ニセsakky抹殺計画はニセROMマニアの登場で失敗した。浄化の途中でさりげなく謝っておいたからいっか。
一通り見回りをしたけど特に新たな情報は無かったな。
守る会掲示板に、とうとう敵が姿を現した。「奥田の遺志を継ぐモノ」が来た。
「よう。お前等sakkyに騙されてるぜ。」
もちろん誰も信じない。けどみんな大慌てしてたな。
トロイメライちゃんは「え?あ、どうやってココ知ったんですか??」と驚いてた。
ワルキューレなんか「ヤバイいんじゃないスか?コレ。どうにかしなきゃマズイッスよ!」ってほざいてる。
そしてsakkyも「なんでそんな嘘付くんですか!アナタ誰なんですか!」と怒ってた。
ボクは「大丈夫だよ、sakky。ボクが守ってあげるから・・・。」と言っておいた。
勇者ボレロ、推参!!


2月22日(火) はれ!
騎士はボクだけでいいのに!!
ラカソまで「僕が守ってあげる」発言してやがる!!!
敵はボクが倒すんだ!邪魔するなよおぉおぉうううう!!!
こいつはことごとくボクとsakkyの愛の邪魔をする。何様のつもりだ。
「奥田を遺志を継ぐモノ」がまた「sakkyは男だ。」と酷い嘘ついてる。
sakkyはイワモトサキちゃんだっつーーの!!!どう見ても女の名前だろぉぉぉぉx!!!
ヤツもハクしてやろうかと思ったけどサキちゃんに「もうハッキングなんて危険な真似はしないでね。」と言われてるから・・・。
サキ。俺はお前の言うことなら何でも聞いてやるさ。
お前も俺が危険な目に会うのは嫌なんだろ?仕方ないヤツめ。
ウフーーーーーーーー!!!!


2月23日(水) あめ気味
ふう。今日はラカソとチャットで熱いバトルを繰り広げてしまった。
もう守る会から希望の世界へは解禁されたから、思う存分やりあった。
「sakkyはボクが守るんだ!彼女を想う気持ちは誰にも負けない!」「俺だって負けないさ!」
「フ。このままじゃラチがアカナイな。どっちがsakkyのナイトの資格があるか、決闘で勝負をつけようじゃないか!」
「望むところだ!」「いくぜ!おりゃぁ!」「カシャンッそんなんじゃ効かないぜ!くらえ!ビュン」「バシ!なかなかやるな!」・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・結局、勝負をつける事はできなかった。
ボクはどうもラカソを勘違いしていたかもしれない。あいつのsakkyに対する想い、本気だ。体で感じ取った。
でもボクだって本気だ。負けるワケにはいかない!!絶対に!!
フフ。もしかしたらあいつ、これから良い好敵手になるかもしれないな。
サキ。ちゃんと見てるんだぞ?これが誇り高き男達の、ホンモノの決闘だ・・・。
くううううう!!!カッコ良すぎ!!!!


2月24日(木) は・れ
僕らの聖戦をヤツが汚しやがった!奥田なんたらめ、許サン!!
「昨日のチャット・・・・。お前等、バカだろ。」だとほざきやがる!!!
この発言はみんな許さなかった。
ワルキューレが「バカとは何ですか!!僕たちのsakkyさんに対する誠意がわからないんですか!!??」
トロイメライちゃんが「sakky姉様を守るのは私達の使命です。ボレロさんとラカンパネラさんの闘いもその現れで・・。」
そしてあのラカソもまでも「俺達の誇り高い決闘を汚すなんて許せネェ!!」と怒ってる。
sakkyだって「二人とも・・・私の為に争わないで。けど・・・・・・・・嬉しいです。」
そうそうそうそうそれでこそ闘った甲斐があるってモンだよねぇぇぇぇ!!!
みんなもちゃんと分かってる!!僕たちは、真剣なんだ!!
奥田なんて野郎はダメだね。バカって言うヤツがバカなんだよ。
ま、しょせんバカには誇り高き闘いなんて到底理解できないだろうけどね☆
カワイソウな奴だ・・・・。
ボクも止めにカキコしておいた。
「みんな!バカの相手する事ないサ!安心しな。sakkyだけじゃなく、みんなもボクが守ってアゲル!
ボクはもう最強装備だからね。どんな敵が来てもへっちゃらサ!!
聖剣・エクスカリバーの攻撃力は最高値!既に一人立証済みサ!
防災頭巾の兜はボクの魂が込もってる!かぶるだけで体力回復!
レモンクラブの鎧なんか防御力レベル特A!!!十冊は軽く仕込んであるヨ!!
そしてそして、盾は「お鍋のフタ」。ドラクエをナメちゃダメだねー。コレがまた結構使えるゾ!!
奥田、いつでも俺が相手してやるぜ!!返り討ちにしてくれる!!!
勇者ボレロに、死角ナシ!!!!!」
あーもうなんてイイセリフなんだろ。自分で書いてて震えちゃったよ。
参ったな・・・。これでまたサキが惚れ直しちまうゼ。
てへっ☆


2月25日(金) くもリ
始めはワルキューレだった。
「レモンクラブってエロ本ですよね?それに防災頭巾って・・・。やべ。俺、なんか引いちゃいました。
いくらなんでもそりゃ・・・ねぇ。ラカンパネラさんもそんな格好してるんですか?」
すぐ次にトロイメライちゃん。
「あの・・・ボレロさん。それ本気で言ってるんですか?だとしたらちょっと・・・・怖いです・・・・。」
そして・・・サキ。
「ヤダ・・・ちょっとこの人達・・・・気持ち悪い・・・。」
あのラカソはあっけなく裏切った。
「おいおい待ってくれよ。俺を一緒にしないでくれって。そこまで変態じゃない!!!
エロ本身にまとうなんて俺にはできないよ。ってゆーかさ。ボレロお前、ちょっとおかしいよ。」
それから幾つか似た内容のカキコが続いた。
その中に紛れて「奥田の遺志を継ぐモノ」の発言があった。
「死角ナシか。資格ナシの間違いだろ?」
みんな大笑いしてた。
敵ながらあっぱれとか。ちょっとアレは勘違いしてるよねとか。だからオタはダメだとか・・・・

鏡に向かって自分の格好を確認してみた。
聖剣で盾をカンカン叩いてみた。やっぱりお鍋のフタは堅くて強い。
完全装備。ポーズを取ってみた。カッコイイ。カッコイイ、けど
急に全部嫌になった。
防災頭巾を放り投げてレモンクラブもドサドサと落とした。
本がたくさん入るようにわざわざ大きめのズボンを買ってある。
レモンクラブを全部抜くとブカブカになって超緩い使えないズボンになっちゃった。
そう思うとなんでか知らないけど涙が出てきた。
ドバドバ出てきて口に入ってしょっぱかったりした。
防災頭巾で拭ってもお鍋のフタを構えても聖剣をかざしても泣きやんでくれない。
・・・・オナカイタイ


2月26日(土) くもりん
どうも泣き疲れてそのまま寝ちゃってたっぽい。
ケータイちゃんが鳴ってるのにしばらく気付かなかった。
ハっと目が覚めて急いで取ったらカノンだった。
頭がボーとしてて何言ってるのか最初理解できなかったけど
耳が慣れてきたら何を言ってるのか分かって急に目が覚めた。
「裏切りモノが分かりましたよ!」
裏切りモノが???ホント??誰??誰??誰???
カノンはすぐに答えてくれた。
「あのラカンパネラですよ!!」
ラカソ・・・・昨日あいつに裏切られてみんなにもなんか言われちゃって僕は泣いちゃって・・・
つまり。え。どうゆうこと?ラカソには昨日裏切られたけど裏切りモノの話は前からあって
頭の中で色んなコトがくるくる回ってうまく整理しようとしてたらカノンの声が耳に入ってきた。
「大丈夫。落ち着いて、私の話を聞いて下さい。」
この言葉で僕は妙に落ち着いた。なんでこんな落ち着くんだろ。
「まず言っておかなきゃいけないコトがあります。」
うんうんと思わず頷いちゃった。
「『奥田の遺志を継ぐモノ』・・・アレは、ラカンパネラの自作自演です。」
ええええええええ!!!???何ソレつまり、え?だからどうゆう・・え?え?え?
「驚くのも無理ありませんね。僕も驚いてるんですから・・・・。何がどうなってるのか説明しますよ。」
電話を持つ手にも力がこもったよ。
「ラカンパネラはsakkyに会いたがってました。僕らを出し抜いて、ね。
その為には僕らよりもsakkyに好印象を与えておく必要があります。
そこで考えついたのが、ナイトになるコトです。敵からsakkyを守る。
方法は簡単ですね。自分で敵を演じ、自分がそれを倒す。それだけでsakkyで喜ばれる・・・。
しかしそこで、思わぬ障害がありました。ボレロさん。アナタですよ。」
ボク??????なんで????いきなりボクの名前が出てきてびっくりした。
「そうです。ナイトの役をアナタが取ってしまったんです。」
だから慌てて計画を変更したんでしょう。とにかくアナタをナイトにさせない事が先決になった。
昨日の掲示板を思い出して下さい。」
言われて思い出してまた涙が出てきた。
ボク・・・・ボク・・・・ちょっと泣き出したらカノンが慰めてくれた。
「大丈夫。アナタは悪くありません。みんなラカンパネラに騙されてるだけですよ。」
そうなの????ボク悪くないの??聞き返したらまたすぐに答えてくれた。
「ええ。絶対アナタは悪くありません。安心していいですよ。
悪いのはラカンパネラ。あいつです。あいつがみんなを煽ってアナタをのけ者にしようとしてるんです。
ラカンパネラこそ、消すべき敵なんです。」
そうだったのか・・・・。みんなあいつに騙されてただけだったのか・・・・。
安心すると同時に急に怒りが込み上げてきた。
じゃ何だ?ボクはラカソのせいでみんなにバカにされたのか?
奴の自作自演に付き合わされたあげくのけ者されたボクは・・踊らされてってコト!?
ムカツク。これはマジでムカツク。許せにゃい。もう怒った。マジ怒った。キレた。
最初から気にくわなかったんだよアイツ。ヤルしかナイ。俺のサキを奪おうなんて1000年はええんだよ!!!
カノンはさらに面白い情報を仕入れてた。
「ラカンパネラも許せませんが・・・・実はあいつに、仲間もいたんですよ。」
仲間???なんだアイツ生意気にも仲間なんざ連れてたのか??
「仲間って言うより・・・どうもお互い出し抜こうとしてたらしいんですけどね。
エア。最近あいつ書き込んでませんよね?その理由、教えてあげましょうか?」
話を聞いてボクはひっくり返りそうになった。
なんだなんだ。まさかそんな風に繋がってたなんて・・・・
エアとラカソの情報も教えてもらっちゃった。カノンも情報収集はまかせてくれって言ってた。
よし。もう迷うことない。ボレロ様の怒らすと怖いコトを思い知らせてやらなきゃな。
サキ。安心しろ。お前の心も必ず取り戻してやるからな!
ъ( ゚ー^)


2月27日(日) く・も・り
エア。お前もまた手柄を横取りしようとしたんだな・・・。
昨日カノンに教えてもらった病院に行った。エアに今一度制裁を加える為に。
以前行った病院と違って普通の病院だった。そだよね。外科だし。
勝手に入ってっちゃったりしてマズかったかもしれないけど平気だよね。日曜だし。
言われた通りの病室に川口君の名前があった。
部屋の中はカーテンに仕切られてた。入ってすぐのカーテン空けるとベッドに寝てる人がいた。
違う〜。すぐ閉めて次のカーテン開けた。ガキが寝ててオバチャンが付き添ってた。
目があったけど無視してすぐにカーテン閉めた。さて次。
カーテン開けた。ビンゴ!!足にギブス。間違いナイね!
顔は良く覚えてなかったけど言われてみれば確かにこいつだ。この足、ボクが突き落としたからだしね。
生意気にも本を読んでた。よく見るとピカピカの教科書だった。
何コイツ、勉強してんの!!???びっくりしたさ。
エアこと川口正義君。カノンの情報通り、足の骨折って入院中。
カーテン閉めてボクがニコニコしながら立ってるとキョトンとした目で見てきた。
「あ・・・・何でしょう・・・・。」だって!!ウフーー!こいつ何も分かってねぇよ!!
でもそーなんだよねー。コイツはボクがボレロだってわかんないんだよねー。
突き落とした時も後ろからだったしー。ま、こいつがボクの手柄横取りしようとしたのが悪いんだけどー。
「エア。『何でしょう』じゃナイだろ?」ってキメてやった。
はぁ?って顔してた。おやおや。トボけようったって無駄だヨン
「お兄さんに言っておいて。ボレロが来たぞって。」
まったく。こいつら兄弟そろって抜け駆け好きなんだから。困っちゃうよなー。
兄のラカンパネラ。弟のエア。バカ兄弟め。お前らことごとくボクの邪魔をする。
カノンには超感謝してるよ。こうして奴等の正体を突き止めてくれたんだから。
最初から知ってたらあの時もっと思いっきり叩いてたんだけどな☆
けど、やっぱりボクの判断は間違ってなかった。偽ROMマニア、エアを叩いたんだから!
さて。じゃ、制裁加えちゃおっかな。
まだトボけてるエアの足を掴んだ。ギブスのついてない方を。
え?って声出してた。あー。声までトボけてるよー。
次の瞬間、何とも言えない嗚咽が聞こえてきてた。
ボクの体重全部乗っけて、足を曲がっちゃイケナイ方向に曲げちゃったから♪
顔は必死に叫ぼうとしてるんだけど、声が出てきてない。
そうそう。骨折った時って呼吸困難になるんだよねー。
安心してたら手が伸びた。ふと見ると、ナースコールのボタンが・・・。
アブナーーイ!!必死になって腕を掴んだ。エアも泣き顔のまま必死で抵抗した。
ヤルしかない!

勇者ボレロの攻撃!ボレロは正券突きを放った!バシュッッ!!
痛恨の一撃!ドンッッッ!!エアに100のダメージ!エアは力尽きた・・・・。

ふー。こんなコトもあろうとワザをマスターしておいて良かったゼ。
毎晩布団向かって修行した甲斐があった。
エアもやっつけたコトだし長居は無用!ちゃっちゃとオサラバナリー。

けどやっぱ一番許せないのはあいつの兄、ラカソだね。
ボクはサキに「自作自演はもうしないでね。」って言われて素直に守ってたのに
あいつあっけなく破りやがった。約束破っちゃダメ、絶対!
悪は、滅ぼさねば・・・


第11週「対決」