希望世界 ユウイチの日記


7月15日(土) 飴
部屋に血がいっぱい。
兄貴のサバイバルナイフが真っ赤に光ってる。
・・・静かだ。
キーボードが赤い。画面にも血がベットリくっついてる。
あ、俺の手が赤いのか。

何が起きたんだっけか。
断片的な記憶しかない。
兄貴達が踏み込んできて・・・・センセイはヒロフミさんの首を投げて・・・・
ミキさんが声にならない悲鳴をあげて・・・・兄貴が一瞬ひるんで・・・・・・
センセイに腕を掴まれて・・・・・持ってたサバイバルナイフ落として・・・・・
そっから会話があったはず・・・
「なぜお前は俺を殺そうとする?片目を奪われたのによほど恨みがあるのか?」
センセイの両手が兄貴の首に・・・兄貴はその手を掴んで苦しんで・・・・
「それで悪いか・・・!」
「悪いね。」
兄貴の足が浮いて・・・・・ミキさんは座り込んで呆然とヒロフミさんの首を見つめて・・・・
俺のことなんか誰も相手にしないで・・・・・・・
「ガキだよ。その発想は。勝てない相手に突っかかって何の意味がある。」
「勝つんだよッ!!」
「無理だ。こうして一瞬のウチに返り討ちにされてるじゃないか。」
「まだだ・・・まだこれから・・・」
「何がこれからだ!!」
センセイが強い口調になって・・・・演説が始まったんだ。
「お前の生い立ちには同情しよう。だがそれを言い訳に荒んだ生き方を選ぶのは許せないな。」
「言い訳になんか・・・・・」
「してるさ。」
今度は声のトーンが落ちた。兄貴は浮いたまま。片目が充血してる。
「お前は片目を失った時点で舞台から降りるべきだった。そこで元の生活に戻れば良かった。」
「それが俺の生き方に何の関係があるってんだよ!」
兄貴の声は虚しく響いていた。主導権を・・・命をセンセイに握られたまま・・・吠えてた。
「自分の生活が嫌だったんだろう?だから渡部サンに付いてきて、俺達の世界に入り込んだ。」
「違うッ!!」
「こっちのオカシな世界は普通耐えられないさ。そこの弟君のように。」
センセイは言っただけで俺を見てはくれなかった。
チョコナンと座ったままコトの成り行きを見つめる俺。
「お前は狂人気取りでやって来て・・・・俺達のまわりをウロチョロしやがった。」
その言葉のせいかはわからないが、兄貴の顔は真っ赤になった。
「気取ってねぇ!!俺は本当に・・・・てめぇを殺す気でいるんだよ!!!」
ケケケと笑い声。センセイだ。
しばらくケケケ笑いが続いた。ミキさんはヒロフミさんを抱え込んで顔を伏せてる。
泣いてるんスか?俺は心の中で聞いてみた。
「何がおかしいんだよッ!」
兄貴の遠吠えは続く。ずっと腕をほどこうと頑張ってるが、センセイの腕は鉄のように動かない。
そしてセンセイ一言で・・・勝敗が決まった。

「なぁ川口君。お前、実際に人を殺したことはあるのか?」

兄貴の顔が固まった。
心なしか腕の力も抜けたような気もした。
・・・・・経験者の岩本センセイが言ったからこそ、説得力があった。
そうだよ。兄貴は散々修羅場をくぐって・・・・暴力を重ねてはいたが・・・・・
結局の所、誰も殺せないでいる。破壊神と呼ばれてはいたが、殺人鬼とは呼ばれてない。
殺さないでいるのか。殺せないでいるのか。
その答えは明白。兄貴の反応を見ればわかる。
「てめぇを・・・・最初に・・・・・・。」
最早負け犬が吠えてるだけだった。
強がるにはあまりにも弱すぎた。
情けない。
勢い込んでやってきたってのに。カッコつけてサイバイバルナイフなんて装備してきたのに。
生首が飛んできただけでひるみやがって。
そのスキに首を掴まれ、ふりほどけないでいる。
兄貴が弱かったのか。センセイが強すぎたのか・・・・・
センセイは遠い目をして兄貴の言葉を聞いていた。
「殺してやる・・・・・」
センセイは兄貴の首を掴んだまま・・・・締めていた。
おかげで兄貴の声はかすれていた。
「・・・・・・離せ・・・・・・・」
ギリギリと見てて襟が絞められているのが見えた。
ときおり「あ・・・う・・・・」と兄貴の嗚咽が漏れる。
「マサヨシ・・・・タスケロ・・・」
その声は俺の耳に届いていた。
でも俺は動かなかった。動きたくもなかった。
なぜだろう?最期の最期に、これまで散々痛い目に逢わされた記憶が蘇ってきたから?
それは俺にもわからない。
とにかく俺は・・・・・・兄貴を見殺しにしていた。
ボケっと・・・・破壊神と呼ばれた男の・・・あまりに哀れな最期を・・・・見つめていた。
「ミキ・・・・・ミキ・・・・・」
センセイは俺やミキさんの方には全く振り向かず
下を向いたまま兄貴の首を絞め続けた。
勝てるなんて思ったのか?心の中で吐き捨てた。
それは兄貴に対してだけでなく・・・俺自身に向けての言葉でもあったのかも・・

そうして兄貴が今にも死にそうになってる時だった。
俺の目の前にサバイバルナイフが差し出された。
誰も俺の姿は目に入ってなかったの思っていたが、この人だけは・・・・
・・・・ミキさんだった。
兄貴の手から落ちたナイフをミキさんが拾った。
ポケナンとそのナイフを見つめる俺に、ミキさんはナイフを差し出した。
無表情だった。目の前で恋人が殺されそうになってるのなんか目に入ってなくらい。
そのまま顔を壁に向けた。センセイの後ろ姿。兄貴の苦悶の表情。
「涎を拭きなさい。」
ミキさんの小さな小さな声が俺のアタマに響いてきた。
兄貴の言葉には何も反応しなかった俺の身体が、ミキさんの言葉で動いた。
俺は手の甲で涎を拭いた。ボカンと開けてた口を閉めた。
その時俺は、ミキさんが何を望んでるのか分かっていた。
目の前に差し出されたナイフを掴んだ。
刺すんですね。確認するようにミキさんを見た。
だがその時のミキさんは・・・・・
俺が今こうしてハッキリとあの時の状況を書けるのは、ミキさんの目のおかげだ。
何しろあの目・・・・・恐ろしいくらい冷たく・・・・無表情・・・・・・・・・
その目で・・・・兄貴を・・・・兄貴の死に様を・・・・・見据えている・・・・・・
センセイはこちらのコトなど気にせず兄貴の首を絞め続けている。
兄貴はもう言葉を発することも出来ずに泡を吹いていた。
ミキさんは、手のひらを俺の前に・・・・「待て」を・・・・・・・
辛うじて聞こえた兄貴の最期の言葉。
「ミ・・・・キ・・・・・・」
ミキさんにも聞こえていたはずだった。
でもミキさんは動かなかった。「待て」の合図を続けてる。
無表情に。何を考えてるのか。
兄貴を、見殺しにしていた。
センセイは顔を伏せ、兄貴を殺すことに集中している。
兄貴を殺すことに特別な意味でもあるように、じっくりと、確実に、殺している。
死の瞬間を感じようとしてるのか。何も語らず、ただ黙って、首を絞めてる。
俺達のことはノーマーク。
ヒロフミさんを抱えて泣いていたミキさんが、俺にナイフを渡したことなど知る由もない。
ヒロフミさんはミキさんの横に無造作に転がっていた。

ガタン、と壁に何かが当たる音がした。
この音こそが・・・・・破壊神が消えた瞬間だった。
力の抜けた兄貴の足が壁にぶつかっている。
ガタン。俺の中で何度も響いた。
不思議と兄貴が死んだことに対してなんの感情も沸いてこなかった。
いや、何かが沸いてきそうな気配はあった。
だがそれもすぐに消え去った。ミキさんの合図で。
ミキさんの手がスッと動いた。
指先がセンセイの背中を指している。
センセイは尚も兄貴の首を締め続け、完全に動かなくなったのを見計らって・・
兄貴の身体を下ろした。
天井を見上げた。そして深いため息をつき、首を何度も横に振った。
フウと一息つくと、やっと俺達の方を振り返った。
さて、後始末でもするか・・・・・
おそらくそんなコトを考えてたんだと思う。
まったくの無防備で振り返っていた。
俺のナイフが待ちかまえてるとも知らずに。

その感触はもう手には残ってない。
夢の中の出来事みたいだった。
センセイの表情。あまり変わってなかったと思う。
ただ、それを見つけた時、センセイは笑った。
ケケケと笑っていた。
「そう来たか・・・・・。」
腹に深々と刺さったナイフを見つめ、ため息混じりに呟いた。
俺はどうしていいのかわからなくなった。
センセイを刺した。ザックリと。
見る見るナイフが赤く染まっていった。
赤い液体がナイフを伝って俺の手に。
腕まで赤く染まってしまった。
恐らく時間にしたら数秒だったのかもしれないが
その時は異様に長く感じた。
このままずっとセンセイのお腹にナイフが刺さってるんじゃないかと思った。
センセイの手が動いた。
ドン、と俺は突き飛ばされた。
ミキさんの横に倒れ込んだ。
俺はセンセイの顔とミキさんの顔を見比べた。
「やってくれたな。」
センセイはもう笑ってなかった。腹からダラダラ血を流し、ナイフが痛々しく突き刺さってる。
それを見てミキさんは・・・・・クスっと笑った。
元恋人がセンセイの後ろに転がってる。
元弟の生首が横に転がってる。
なのにミキさんは、笑った。
笑ってる。
・・・・・俺は震えた。ミキさんが怖かった。
そう思った途端、急に現実感が押し寄せてきた。
兄貴の死体。死んだ・・・・・俺の兄貴が殺された・・・・!!!
そして兄貴を殺したセンセイを・・・・・・
あの無敵のセンセイを・・・・・俺が刺した。
刺した。刺しちまったよ!
俺、人を刺しちまったよ!!!!!
なぜか吐き気が込み上げ、その場にぶちまけた。
センセイの血と混じり、見る見る床が汚れていく。
涙もでてきた。
泣いていた。子供のように泣いていた。
何かが落ちる音。ピチャっと嘔吐物の中に。
兄貴のサバイバルナイフ。
ドアが開く音、ガタン。
閉める音。ガタン。
ミキさんの息づかい。
俺の嗚咽。
センセイは帰った
その思考を最後に、俺は気を失った。

目がさめると部屋の中がある程度綺麗になってた。
兄貴の死体とヒロフミさんの首がテレビの前に横たえられている。
もう真夜中だ。
机の上にミキさんのメモがあった。

「先に寝てるね。美希」

兄貴の部屋を覗いたら真っ暗だった。
ミキさん寝息が静かに響いていた。
俺はまた死体置き場に戻り、日記を書き始めた。
綺麗になったとは言え、まだ部屋にはセンセイの血がいっぱい。
殺された兄貴のサバイバルナイフが、センセイの血を吸って赤く染まってる。
センセイは消えた。あのまま死んだか、家に戻ったのか。
もう俺にはわからない。
外にはセンセイの血が転々としてるかもしれない。
ふと、近所の誰かがこの騒ぎに気付いて通報してくれないかと思った。
そうなることを望んだ。でもそれはあり得なかった。
これまでに散々、兄貴が暴れた時に通報されたから。俺の血が外に飛び散ったり。ガラスが割られたり。
その度に兄貴がサツを追い返した。・・・やがて近所の人は何も関知しなくなった。
もうウチでちょっとした悲鳴があがったところで、誰も感心を払わない。
今日の騒ぎは特別だ。近所の皆さん。諸悪の根元、川口豊は死にましたよ?
それも知られずに終わるだろう。
・・・・・終わりって、何時が終わりなんだろう。

ミキさんのメモには続きがあった。
「先に寝てるね」の下に、大きく、少し雑な字で一行。
俺の脳に直接語りかけてくるように。
ソレは、強く。とても強く俺に訴えていた。

 川口豊<岩本先生<川口正義


7月16日(日) 俺
とても嫌な夢を見た。
体中に何かがまとわりついて、ソレは俺の動きを制限する。
逃げよう逃げようとしてもソレのせいで身体は動かない。
無理に引っ張った。ソレと一緒に俺の皮膚までくっついてくる。
それでも引っ張った。バチンとソレは剥がれた。
俺の皮膚も、肉ごとごっそりと千切れた。
真っ赤な血が俺の身体から吹き出る。
腕が赤く染まる。元に戻そうと肉を身体にねじ込んだ。
でもダメだった。なんとかくっつけようと何度も挑戦した。
ズルリと滑ってくっつかない。
俺は何か取り返し付かないようなコトをした気がして怖くなった。
「戻して!」と叫んだ。
どうしようもなく不安になってまわりの闇に向かって「戻して!」ともう一度。
俺は泣き出した。誰も聞いてくれない。
声が枯れるくらい大声で叫んだ。
戻してくれ!
助けてくれよ、兄貴!!

そこで目が覚めた。
泣いていた。嫌な・・・とても嫌な夢だった。
起きると隣に兄貴が寝ていた。
もう昼を過ぎていた。
寝ぼけたまま俺は兄貴をさすった。
兄貴。もう昼だよ。メシはどうする?いつもみたく朝昼兼用にするか?
この前食ったインスタントラーメン、あれまだ残ってたよな。
それでいいだろ。野菜は冷蔵庫にトマトあるから。昨日買っといたんだよ。丸かじりしようぜ。
今日の買い物当番はどっちだっけ。俺昨日行ったから今日は兄貴の番だよ。
やべ。早いトコ洗濯しねぇと日が沈んじまう。
なぁ、俺洗濯するからメシ作ってくれよ。
たまには兄貴もやってくれよ。インスタントだから作るのカンタンだろ?
今日はどっか出かけんの?晩飯作っちゃっていいか?
そうそう。外食控えてくれよな。今月結構使い過ぎちゃったんだよ。
聞いてんのかよ兄貴。メシ作ってくれって。
俺、洗濯しなきゃいけねぇんだよ。
兄貴。いい加減起きろって。
兄貴・・・兄貴・・・・・・
起きろって・・・・・・・・

ミキさんがポンと肩と叩いてくれた。
そのおかげで俺は現実に戻ってきた。
目が痛む。泣き腫らしたせいだろう。
こっちの方が夢みたいだった。
夢と現実の境目がわからない。
昨日のこと。一夜経ってようやく現実と認めることができた。
生き残った俺とミキさん。
いつまで経っても起きない兄貴を眺めながら、俺は呟いた。
「逃亡生活なんて、無意味だったな・・・・。」
普段ならこんな暴言吐いたら速攻で殴られる。
でも今日は殴られなかった。
兄貴は動かず、ただ黙って寝転がっていた。
・・・・・・・・・・・死んでる。
間違いなく兄貴は死んでいた。
「意味はあったわ。少なくとも、ユタカ君にとってはね。」
ミキさんが冷静なまま答えてくれた。
遠い目をして兄貴を見ている。その視線は兄貴を突き抜け、床までの方まで突き刺さってるみたいだった。
「私が初めてだったんだって。マトモな感情を抱いたのは。」
マトモな感情。今となっては悲しい響き。
「だからね。私のために・・・一緒に逃げるコト自体に意味があったの。」
ミキさんの言葉一言一言が兄貴と・・・・俺に、染み渡った。
・・・救われたのか?
兄貴、アンタは最期の最期に救われていたのか?
ミキさんに出会えたコトは、救いになっていたのか?
「狂った者同士の連帯感・・・そんなものが欲しかったのかもしれないわね。」
そしてその中で、狂った者同士とは言え・・・好きになれた。
そうなのか?兄貴。
ヘヘ。兄貴にそんなセンチな感情が気付かなかったよ。
いや、そうか。気付く訳ないか。ミキさんが最初なんだから・・・!
「でもね。ちょっと勘違いしてるところは有ったのよ。」
勘違い?
「そう。岩本センセイを倒すのが目的みたいになってた。それは違うんだけどね。」
違うって・・・
「けど、センセイが邪魔だったのは事実だったから。その意味では正解ね。」
よくわからない。
何が言いたいんだろう。兄貴のやったことってのは意味が・・・
「センセイ、死んじゃったかな。」
ミキさんのこの言葉で俺の思考は中断された。
そうだ・・・俺・・・・センセイ刺しちゃったんだ・・・・・
なぜかミキさんがクスっと笑った。
「また涎がたれてるよ。」
今日は手は動かなかった。
ミキさんはそんな俺にお構いなしに話し続ける。
「マサヨシ君。アナタか刺して正解よ。風見君の友人、風見君の名前『ユウイチ』を名乗るアナタが。」
俺の目をのぞき込んだ。
「ユウイチが刺すべきだったのよ。」
ミキさんはスっと身を引いた。
「風見君に殺されるなら、センセイも納得するはずよ・・・。」

「そうそう。コレどうにかしないとね。すっごいニオイ。」
ヒロフミさんの顔を拾い上げた。
弟さんを「コレ」だなんて・・・・・俺にはもうミキさんの思考回路がどうなってるのかわからなくなった。
考えるのも面倒くさくなった。ミキさん。もうしかしたらこの人が一番・・・・・
「下の部分はどうしたの?」
センセイが言ってたゴミ袋で捨てる方法を教えてあげた。
ミキさんは興味深く聞いてくれた。
「その方法、いいかも。明日早速捨てて来ましょう。あとこっちも。」
兄貴の横にかがみ込んだ。
「解体しないといけないね。できるかなぁ・・・・。」
キョロキョロとまわりを見渡した。
昨日から放って置いたサバイバルナイフに目を止めた。
そしておもむろにそれを取り上げて・・・・

「えい。」

グサッ

兄貴の胸に突き刺した。
まるでたった今兄貴にとどめをさしたようだった。
瞬殺。グサリ。
俺はフラリと居間を抜け出した。
「ちょっと、日記書いてきます。」
ノートパソコン抱えて兄貴の部屋へ。
後からミキさんが「うん。わかった。」と。
続いてグサリグサリ、ネリネリネリと皮を剥ぐ音・・・・
戸を閉める直前、ミキさんがもう一言。
「正義君。貴方が最強よ。」
グサグサグサグサ
ギリギリギリギリ
バキバキバキバキ
グチャグチャグチャグチャ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・何がなんだか分からなくなってきた。
ミキさんは兄貴の恋人・・・・だったよな???
死んだらゴミ?うん。確かにゴミだ。
でも恋人・・・弟も・・・・・・
え・・・・・
ええええ????????
ええええええええええええええええ?????????

オ・・・・・俺最強。タ、確かなことはこれだけだ。
兄貴<センセイ<俺
ミキさんが言ってくれタ。俺が一番強いんだって。
俺最強。俺最凶。俺、最狂。
カイザー・俺、俺・ネーター、ダース・俺、俺・スカイウォーカー
俺リックス、俺インポッシブル、俺マゲドン
俺リーブス、俺クルーズ、俺ウィリス

俺はカワグチマサヨシ
俺はカザミユウイチ
破壊神を殺した岩本センセイ
そのセンセイを殺した男
この戦いの頂点

最強

最恐

最キョウゥゥゥゥ


第2部<迎撃編>
 第8章「蟲」
 第29週「継承」