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序章

第1章 「朝と夜」
 第1週 起床
 第2週 挨拶
 第3週 洗顔
 第4週 朝食

第2章 「動と静」
 第5週 音色
 第6週 景観
 第7週 思考
 第8週 吐息

第3章 「光と影」
 第9週 暗影
 第10週 遮光
 第11週 黒雲
 第12週 雷鳴

第4章(終章) 「夢と現」
 第13週 霧中
 第14週 終局
 第15週 夢幻
 最終週 解放






第五週 「音色」

2月5日(月) ハレ

タケシ君が話してくれなくなりました。何かを考え込んでるように目を閉じてじっとしてます。
ボクは仕方なく自分の姿を鏡に映して眺めました。もうタケシ君は邪魔しません。
なんでボクは女の人の体なんだろう。鏡から目を離して自分の姿を見ようとすると、すぐにタケシ君に目を隠されました。
まだ後から耳をふさいできたりするのでおじいさんとおばあさんの声は聞こえないままです。
何も変わってません。


2月6日(火) クモリ

一生このままだと言われても、やっぱり自分のことは知りたいです。
鏡に映った自分をよく見ました。おばさんと呼ぶには少し若いかもしれません。
今は髪の毛がボサボサだけど整えたら綺麗になりそうです。じっと見てると確かに何かを思い出しそうになりました。
ボクは必死に考えました。そしたらものすごい頭痛が襲ってきてそれ以上考えることはできませんでした。
まだ痛いです。


2月7日(水) アメ

タケシ君が話してくれなくなったとおじいさんに言うとおもいっきり頬をぶたれました。
ボクは飛ばされてタンスに体を打ち付けたけどおばあさんは哀れな目で見るだけで助けてくれませんでした。
なんでタケシ君の名前を出すと怒るんでしょうか。何かを叫んでるのはわかりますがボクにはなぜか聞き取れません。
ボクが女の人の体なのと何か関係あるんでしょうか。不思議なことがいっぱい。
謎です。


2月8日(木) ハレ

おじいさんが古い写真をボクの目の前に突き出して何か叫びながらビリビリに破いてました。
とっさにタケシ君に目を隠されたのでその写真に何が映ってたのかよくわかかりませんが
破けた残骸に火を付けて燃やしてるところを見るとよほどそこに映ってるものが嫌いなんだと思います。
その後服を上だけ脱いでお腹をボクに見せつけてさらに叫んでました。お腹には切り傷があって痛々しかったです。
気持ち悪い。


2月9日(金) ハレ

怒鳴っているのはわかるのに耳がふさがれてるので言ってる意味がわかりません。
ボクそのことを言うとさらに怒った顔をして殴られます。おばあさんもタケシ君も助けてくれません。
さすがにもう嫌になってきました。理由もわからず殴られるのは痛いし辛いです。
タケシ君は何か難しそうな本を読んでてボクのことを気にかけてもくれません。
見捨てられました。


2月10日(土) ハレ

二人を殺せなかったせいでタケシ君に嫌われたと思って一人で枕を叩きながら嘆いていました。
タケシ君に「落ち着け。音たてると後がやっかいだぞ」と言われたけど「ボクには何も聞こえないからいいよ」と反抗しました。
そしたらタケシ君に「奴らの会話を聞きたいか」と聞かれました。ボクは頷きました。
その時おじいさんが枕を叩く音をききつけてやってきて「うるさい!」と叫んでボクを殴って去っていきました。
聞こえた。確かにおじいさんの声が聞こえた。不思議に思ってるとタケシ君が黙ってボクの両腕を掴んでるのに気づきました。
どうゆうことでしょう。


2月11日(日) クモリ

今日もおじいさんが叫んでました。最近では理由もなく怒ってる気がします。
ボクはまた聞こえなかったけどタケシ君と目が合ったら昨日のことを思い出したので「また聞こえるようにして欲しい」と言いました。
タケシ君は頷いておもむろにボクの両腕を掴んで・・・手を下ろさせました。
おじいさんが「わけわかんねぇこと言ってるんじゃねぇ」と叫んでるのが聞こえます。音が聞こえる。
どうもタケシ君のせいじゃなく、ボクは自分で自分の耳を塞いでいたようです。
気づきませんでした。





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