序章

 ъ( ゚ー^)<いち
 第1週 遭遇
 第2週 調査
 第3週 実体
 第4週 処理

 (゚∀゚)<に
 第5週 新手
 第6週 偽物
 第7週 苦渋
 第8週 白熱

 (;´Д`)<さん

 第9週 驚愕
 第10週 順応
 第11週 疑惑
 第12週 卒倒

 (ρ_;)ノ<し
 第13週 勧告
 第14週 無情
 第15週 審判
 第16週 天使







第4週 「処理」

9月18日 月ようび はれ

おじさんと村上さんたちのこうぼうが続きます。
エサをあげたりピカチューのぬいぐるみをあげてもおじさんはなっとくしませんでした。
「なおや。ボクはホントはこんなことしたくないんだ。あゆが冷たくするから」
おじさんがなげいてました。なぜかぼくも呼びすてです。
村上さんは「私を抱いていいのはトムクルーズだけよ」って叫んでました。
そのあいだぼくはずっとおじさんのおなかをプニプニさせてました。
すごいだんりょくです。


9月19日 火ようび はれ

ずっととなりにおじさんがいるのでとってもくさいです。
汗をかいてるのでぼくのベッドもぐしょぐしょにぬれてしまいました。
おじさんにそのことを言ったらなぜかニヤニヤしてました。
「どこがぬれてるんだ?え?キミの口から聞きたいナァ」
ベッドがぬれてるだけなのに。なにが楽しいんでしょうか。
「あゆにも言わせたいね。グフフ」って笑ってました。
いみがわかりません。


9月20日 水ようび はれ

おじさんはいよいよダメっぽいです。村上さんにとどめをさされてました。
「ボクのドコがいけないんだ」って言ったときです。
村上さんがすごいいきおいで答えました。
「目と耳と口と鼻と顎と額と髪と髭と顔と胸と腹と腕と足と指と爪と産毛と骨と
 それらすべてにまとわりつく異常な匂いを醸し出すその醜い脂肪の塊が嫌なの」
(漢字は全部村上さんに教えてもらいました)
おじさんは止まってしまいました。おなかのプニプニもなぜかなくなってます。
固まっちゃっいました。


9月21日 木ようび はれ

おじさんがおもいつめたような目でお腹を見つめてました。
下をむいてお腹の肉をひっぱってはなしてをくりかえしてました。
ぼそぼそと「トムクルーズなら・・トムクルーズなら・・」ってつぶやいてます。
村上さんたちはもうおじさんのことはほっといてるようです。
「バカにはね。ほうちプレイがいちばんなのよ」って言ってました。
よくわからないけど、おじさんはもう見捨てられたらしい。
ひとりさびしくお腹をいじるおじさんはちょっとさびしげでした。
どうなっちゃうんだろう。


9月22日 金ようび くもり

おじさんがこわれました。お腹の肉をひきちぎるんだって。
うでのお肉にかぶりついて血まで流してました。
ぼくが止めても「この肉のせいで!」って泣きながら叫びます。
みんな(村上さん以外)で止めてようやくやめさせた時には
うでも真っ赤になってめそめそ泣いてました。
あまりにせつなくなったのでぼくは言ってあげました。
やせたおじさんなんかおじさんじゃないよ!
おじさんは顔をあげて目をかがやかせました。
「飛べないブタはただのブタか!」
よくわからないけどうなずいておきました。
おじさんにだきしめられました。「ありがとうなおやっち!ありがトン!」
ひとりオイオイ泣いてたけどぼくはにおいが気になってしかたなかったです。
やっぱやせた方がいいかも。


9月23日 土ようび あめ

別れは突然でした。
「決めた。ボクはトップガンに入る!」そう言い残しておじさんは去りました。
さいごにあくしゅした時のおじさんの手はとてもしめってました。
おやゆびを立て、「あいるびーばっく」と言いながらドアの向こうに消えていきます。
村上さんは「NON!」とあっさり切りすててました。
トップガン。これに入るとトムクルーズ゙になれるんだそうです。
おじさん、トムクルーズになれたら戻ってくるよね。
だいじょうぶかな。太っててもトムクルーズになれるのかな。
誰もいないとなりのベッドを見ながら、ぼくはおじさんのせいこうを祈りました。
きのうまでは耳をすませばおじさんのはないきが聞こえてきたのに。
今はもう聞こえません。くさいにおいもありません。
けどおじさん。いつかまた会えるよね!
それまで・・・さようなら。


9月24日 日ようび はれ

ぼくもそろそろ退院できることになりました。
長かったぼくの夏休みももうおわりです。
けっきょく自由研究は「はたらくおねえさん」にしました。
村上さんのことをかくつもりです。きょかももらいました。
おじさんとの思い出は少なかったけどきょうれつでした。
今でもあのにおいを思い出すと気持ち悪くなってしまいます。
村上さんは「やっと処理できたわね」と笑ってました。
ぼくもいっしょに笑いました。笑ってないと泣いてしまいそうだったから。
おじさん。こわかったりくさかったりしたけど面白かったよ。
「おもちゃがなくなると、それはそれでさびしいね」
村上さんの言うとおりです。
いつもはつまらない入院も今回はおじさんのおかげで楽しかった。
本当なら毎日・・・・はちょっとヤだから
たまになら会いたいな。冬だったらあったかそう。
おじさん。はやくトムクルーズになってきてね。ぼくはずっと待ってるよ。
おじさんならなれるさ。太ったトムクルーズに!

・・・カッコワルイなぁ。



ъ( ゚ー^)<いち オシマイ
→(゚∀゚)<に





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