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 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第10週 「煮沸」

1月11日(月) 晴れ

学校に行くと、机の配置がおかしくなってました。皆の机は僕の机を避けるように離れてます。
授業中、ヒソヒソと話し声が聞こえます。「なんか虫の奴臭くない?」「臭いよね。机離して良かったね。」
渡部さんと荒木さんでした。渡部さんは周りの人たちにも「やっぱ臭うよね。」とか言ってます。
僕は直感しました。この前、下駄箱に紙を入れたのは渡部さんだ。渡部さんが僕をいじめる。
女の子にいじめられるなんて。


1月12日(火) 曇り

女の子のイジメは陰湿です。体育の時間、教室に戻ってきたら僕の鞄が消えてました。
捜してると渡部さんが「何か捜しモノ?」と白々しく聞いてきます。「鞄、捜してる。」と答えました。
渡部さんが言いました。「それならさっきトイレで見たわよ。女子の方でね。」と。
僕は女子トイレに駆け込みました。後ろで「変態!」「痴漢!」とか聞こえるけど気にしてられません。
ご丁寧に個室一つ一つそれぞれに鞄の中身が落ちてました。もちろん全て便器の中です。
水道で鞄を洗いましたが臭いだけは取れませんでした。お気に入りの筆箱も、ノートも、まだ臭います。
僕の机はますます孤立しました。


1月13日(水) 曇り

ホームルームの時間、渡部さんが「クラス委員から話があるそうです。」と言いました。
それに反応して荒木さんが「昨日女子トイレに入った男子がいるそうです。」と言います。
皆が僕を睨み付けました。「虫!アンタでしょ!」と渡部さんが叫んでます。
酷い。誰のせいで女子トイレに入るハメになったと思ってるんだ。自分で追いつめたくせに。
僕は黙ってうつむいてました。なんか目が暖かいと思ったら、涙が溢れてました。
周りの罵声が遠く感じます。


1月14日(木) 曇り

僕の弁当に黄色い液体がかかってました。変な臭いがします。よく見たら小便でした。
渡部さんの仕業だと思います。ということは、渡部さんの小便?
僕はご飯をむさぼりました。おいしい。股間に血が集まっていくのが分かります。
全てたいらげると、横から渡部さんが囁いてきました。「どう?野良犬のオシッコふりかけは。」
トイレで全部吐きました。


1月15日(金) 雪

僕はお腹で虫を飼っています。こいつは僕の負の感情を喰って育っていく。
虫が育つたびに、僕は快感を得ます。そろそろ育ちきるんじゃないでしょうか。
そうなったら僕自身も喰われるかもしれません。でも僕はそれを望んでる。
喰われると言ってもそんな派手なことにはならないはずです。ただ「やれ。」と命令されるだけ。
その日は近い。


1月16日(土) 曇り

僕の上履きに何か入ってました。知らずに履いた為、中のモノはぐちゃりと音をたてて潰れました。
渡部さんと荒木さんがやってきて何かを探してます。「私達のハムちゃん知らない?」と聞いてきました。
僕が「ハムちゃんて何?」と聞き返すと、渡部さんがニヤリと笑って荒木さんをつつきました。
荒木さんが「生まれたてのハムスター。最近飼い始めたの。」と説明してくれました。
足の裏から嫌な感触が全身を覆います。ゆっくり上履きを脱ぐと、そこには、血と、肉の塊が。
それから先は良く覚えてません。あの二人に何か言われた気もするけど、頭の中は真っ白でした。
お腹が疼きます。


1月17日(日) 晴れ

僕の中の虫が「やれ。」と命令してきました。ヤツはもう完全に僕を喰ってしまったようです。
僕は準備を整え、明日に備えました。明日から世界が変わります。待ちに待ったお仕置きタイムです。
今までのイジメを思い出すと、震えるほど楽しくなってきます。準備は万端です。
士気を高めに早紀に会いに行きました。まだ寝たきり状態ですが心の中では応援してくれてるでしょう。
いよいよです。



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