×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第29週 「決戦」

5月24日(月) 雨

新しい「希望の世界」。チャットで3人仲良く喋ってます。
「えんどうまめ」さんと「TOMO」さんが何故いないのかは二人にも説明しました。
「殺人依頼掲示板」の疑惑以来、亀裂が入ってしまいそのまま離れていってしまった、という事にしてあります。
「渚」さんが「寂しいね。sakky、私達はずっと一緒でいようね?離れないでいようね?」と言ってくれました。
楽しい会話の最中、ずっとanonymityの事が頭から離れませんでした。こいつは何者で、何をしたいのか?
この問題が解決すれば、ようやく自由になれる。「希望の世界」が元の姿に戻る。anonymity、僕は闘うぞ。
最終決戦だ。


5月25日(火) 晴れ

anonymity・・・・・・。こいつの正体を考えてると、とても嫌な仮定ばかりが頭をよぎります。
遠藤智久。カイザー・ソゼ。あいつらに関わり、闘ったせいで、僕は人を疑うという行為を覚えてしまいました。
anonymityはNSCが消えた後、僕にメールをよこした。だからNSCの連中では無いと思います。
逃げたsakkyを追ってくる程暇な奴がいるのか?それなら単にsakkyが逃げた行為自体を非難するはず。
奴は、タケシを殺した事にこだわってる。実際に殺したのは遠藤智久だけど、僕が犯人だと思ってる。
それに、「逃げても無駄」という表現。「希望の世界」が消えたのではなく、引っ越した事を知ってるという事?
となると考えられるのは・・・・・・・・・考えたくない。考えたくないけど頭から離れないんだ。疑惑が消えない。
「渚」さんか、「三木」君か。


5月26日(水) 曇り

確かめる方法は、ある。とても簡単で且つ確実な方法が。
これはカイザー・ソゼがロロ・トマシだったのかを確かめた方法に似てるかもしれません。
二人にメールを送ればいい。ICQを使うべきなのかもしれないけど、違った場合が面倒くさい。
チャットの流れを中断する事になる。チャット中は控えよう。メールで送って間を置いた方がいい。
ただ一言「anonymity?」とだけ書いて、二人にメールを送りました。ちゃんと差出人は「sakky」にしてある。
今は何も知らない二人とチャットをしてます。明日になればなんらかの反応をしてくれるはず。
anonymityを知らなければ「何これ」みたいな事言うだろうし、本人なら・・・・・・「当てられた」と思うだろうな。
ひょっとして僕は仲間を疑う最低な奴かもしれない。けど、確かめずにはいられないんだ。仕方ないんだよ。
二人ともメールを見て「何これ」と言って欲しい。これ以上裏切り者は見たくない。お願いだから。
僕を、裏切らないで!


5月27日(木) 雨

喜ぶべきなのか。悲しむべきなのか。僕の予想は当たってしまいました。
ICQにメッセージが入ってます。「よく分かりましたね。」と一言だけ。・・・・・・・・・・・「三木」君でした。
今日は「三木」君はネットに繋いでません。「渚」さんと二人だけのチャット。妙に寂しいです。
「三木」君、君がanonymityだったなんて。また一人信じてた人に裏切られました。孤独になっていく僕。
「希望の世界」が廃れていく。もう修復する事はできないのか?新しい世界を作らなきゃ駄目なのか?
このままだと「渚」さんと二人だけのになってしまう。「渚」さんはずっと一緒にいてくれると言ってくれた。
僕も「渚」さんを裏切らない。僕が裏切る時、それは「希望の世界」が終わるという事。
「三木」君とはじっくり話をしなきゃいけない。何故anonymityなんて名乗ったのか。何故タケシにこだわるのか。
・・・・なんか、哀しいな。


5月28日(金) 曇り

「三木」君の方から話しかけてくれました。「こうやって話を出来て嬉しいですよ。聞来たい事がありますので。」
「私も三木君に聞きたい事たくさんあるよ・・・・。」僕は哀しい気分のまま裏切り者「三木」君に返事をしました。
「そうですか。ではそちらからどうぞ。」と余裕の態度を見せています。じゃあ聞かせてもらうよ「三木」君。
「なんでanonymityなんて名乗ったアノニマスメールをくれたの?」。まず一番に聞きたかった事です。
「それはsakkyさん自身が良く分かってるんじゃないですか?」・・・・・・・・・何が言いたいのかは分かるよ。
「私がタケシさんを殺したと思ってるんでしょ?でもね、私じゃないの。どんなに疑っても、これは事実よ。」
本当に、これだけは事実なんだ。きっかけを作ったのは確かに僕だ。でも実行犯は遠藤智久なんだよ。
「じゃあ誰が殺したんです?」・・・・・・・・・・・・これにはこう答えるしかない。「話せばとっても長くなるよ。」
「なるほど。とりあえず今日はここまでにしときましょう。また、明日。」そう言って「三木」君は落ちました。
まだ僕のことを疑ってるだろうな。こればかりは仕方ない。明日時間をかけてじっくり説明するしかないな。
今日は短い会話だったけど精神的にかなり疲れました。遠藤智久の時と違って「三木」君のままだからかな。
裏切られるのって、辛い。


5月29日(土) 曇り

今日も「三木」君は繋いでます。僕の方から話しかけました。「昨日の続きなんだけど・・・・・・・・・・。」
「何でしょう?」と「三木」君。聞きたいことはまだ山ほど有る。だけどこれだけは聞いておかなきゃいけない。
「あなたは一体何者?」何の理由もないのにタケシさんに拘るとは思えない。絶対裏があるはず。
「・・・・誰がタケシさんを殺したか、の話ではないんですね。まぁいいでしょう。僕が誰なのか知りたいですか?」
「知りたいに決まってるじゃない。」タケシさんの話、忘れてたわけじゃない。今は早く正体が知りたいだけ。
「わかりました。では明日お会いしましょう。そこで詳しい話も聞かせて下さい。」
・・・・・・本気か!?突然すぎるよ!!なんでいきなり会おうだなんて・・・・何か企んでるのか!?
「返事が無いようですが、何か不都合でも?」・・・・・・・・・・どうしよう。僕の正体までバレてしまうことになる。
いや、ここは行くべきだ。相手の正体を確認しない限りは話のしようがない。いずれは通る道なんだ。
「大丈夫。私、行くよ。場所と時間はどうするの?」・・・・「三木」君は僕の家の近くの駅を指定してきました。
「明日、楽しみにしてます」と言い残して「三木」君は落ちました。明日、か。
僕は面と向かって会うつもりはありません。遠巻きに待ち合わせ場所付近を眺めて「三木」君の正体を見る。
さっきの会話でわかったんですが、たぶん「三木」君は僕の知ってる人です。
わざわざ僕の家の近くを待ち合わせ場所に指定したのは僕が何処に住んでるのか知ってるからだ。
sakkyの正体までわかってるのかはわからない。明日は細心の注意を払って挑む必要がある。
勝負所です。


5月30日(日) 曇り

おかしいです。待ち合わせの時間、その場所には僕の知り合いは誰もいませんでした。
思い切って僕も姿を露わにしたんですが誰も話しかけてはきません。どうなってるんだ。
結局何も起きずに時間だけが過ぎていきました。僕は不思議な気分のまま家に帰りました。
夜、ネットに繋ぐと「三木」君から「なんで来なかったんですか」とメッセージが届いてました。
・・・・・・・・・何を言ってるんだこの人は。僕はちゃんと行ったぞ。そっちが来なかったんじゃないか。
「私、ちゃんと行ったよ!三木君の方が来なかったんじゃない!」そう言い返してやりました。
「そうですか。では明日また同じ場所で会いましょう。」
え?どんな反論が帰ってくるかと思えば、随分とあっさりと次に進む。何を考えてるんだ?
待ち合わせ時間は夕方になりましたが、ほとんど今日と同じ様な感じです。
「何か不都合でも?」・・・・・僕は「大丈夫。今度こそ、また明日ね。」と答えておきました。
ネットを切断した後も、「三木」君の淡々とした態度の事をずっと考えてました。なんであんなにあっさりしてる?
長い間考え込んでると、一つの結論に達しました。今日のすれ違いは、あっちにとって予定通りだったんだ。
つまり、「三木」君も僕と同じで遠巻きに見て僕を確認するつもりだった。
明日、同じ場所で今日見かけた人をsakkyだと見なすつもりでしょう。だとすると・・・「三木」君は僕を知らない?
知らないからこんな回りくどいやり方をするのか?なんだなんだ、予想もできない方向に進んできたぞ。
なら僕の正体がバレた所でそんな大きなダメージは無いかもしれない。明日は面と向かって会ってみるかな。
・・・・・何か重大な事を見落としてる気がする。



戻る次へ