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 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第19週 「衝撃」

3月15日(月) 雨

チャット中に考え事をすることが多くなりました。「タケシ」さんへの返事はまだ考えつかない。
「タケシとまめっち、発言少ないよ〜。」と「渚」さん。
「いやーちょっとねー。」「男同士の秘密の会話をしてたもんで・・・・。」「わー!なんかヤラシー!」
まずいな。この流れだとsakkyの発言の少なさまでつっこまれそうだ。
そんなことを考えてあわてて発言しようとしたら、ICQのメッセージが来ました。「TOMO」さんからでした。
「sakkyも発言少ないよ。なんか考え事?」・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり来た。「うん・・・・・ちょっとね・・・・。」
「何々?悩み事?もしかして恋愛関係?」・・・・・・・・・・鋭い。「すっごーい!何で分かっちゃったの?」
「ふふ。女の勘って奴よ。で、で、どうなの?お姉さんに相談してみなさいよー。」
相談。そうだ。この人に相談してみよう。同じネット仲間なんだし。独りで考えるよりいいはず。
でも何処まで話す?まさかsakkyの正体を言うわけにはいかない。
「んっと。明日になったら詳しい話してあげる。」・・・・また保留。深く考えようとしないのは悪い癖かもしれない。
それでも相談相手が見つかっただけ一歩前進した気分です。明日までに話す内容を決めておかないと。
何て話そうかな。


3月16日(火) 晴れ

今日はチャットを早々に切り上げて、「TOMO」さんに相談に乗ってもらいました。
「他の所で何だけど」と付け加えてネット上で男の人にアプローチを受けてる、という内容のことを話しました。
「それで・・・・・どうすればイイと思う?会うべきなのかな?」・・・・・・・・・・・・・この質問がしたかった。
「それはやっぱり会うべきでしょ!怖いなんて言ってないで相手を信用してみたら?」・・・・・・・信用?
「簡単に信用なんかしちゃって大丈夫かな?」「平気よぉ。ミニオフ会みたいなもんでしょ?会ってみなって。」
「でも・・・・でも・・・・・・」・・・・・sakkyには秘密が有るんだ。これを言えたら楽なのに。言えない。
「何なら会う約束だけして遠くから見てたら?で、その人を直接見てから改めて会うかどうか決めるの。」
それだ!会いたくなければ後で「やっぱり怖くて会いに行けなかった。」とでも言っておけばいい。
「そうだね。そうしようかな。」「うん。がんばりなよ〜。」・・・・・・・・決まった。「タケシ」さんへの返事が。
今日はもう「タケシ」さんは寝てしまってるので明日話してみるつもりです。
待ってて。「タケシ」さん。


3月17日(水) 晴れ

「タケシ」さんにメッセージを送りました。「まだ不安なんだけど会う事にしました。あさってだよね?」
すぐに返事が来ました。「良かった!『やっぱりイヤ』とか言われたらどうしようかと思ってたよ。」
それから時間と場所を決めたんですが、「タケシ」さんが指定してきたのは家からそう遠くない場所でした。
電車とか使って1時間もしないで行けます。さすがに地域別チャットタウンで知り合っただけある。
おそらく「タケシ」さん以外もそんな遠くには住んでないはず。みんなある程度近くに住んでると思います。
決めること決めたらなんだか疲れてしまいました。本当に会ってみるのかはまだ分かりません。
見てみて誠実そうな人だったら・・・・・・・・・いっそのことsakkyの正体を明かしてしまおうか。
独りで秘密を抱えてるより、誰か味方がいたほうがいいに決まってる。僕も少しは楽な気分になれる。
「どんな娘でも絶対イメージを変えない。」と言ってくれた。その発言の責任は持ってくれるはず。
sakkyがどんな娘でも。


3月18日(木) 晴れ

「TOMO」さんから「どうなった?例の男の人と。会うことにしたんでしょ?」とメーッセージが来ました。
「うん。」「いつ会うの?」「明日だよ。」「明日!?もうすぐじゃん!で、で、何処で会うの?」
適当に会話した後、「じゃ、頑張ってね!」と励ましの言葉をもらいました。「うん、頑張る!」
そう、明日。「タケシ」さんと会います。会ったらどんな話をすればいいんでしょうか。
言うべき事は決まってる。問題なのはどう切り出すか、です。「タケシ」さんはどんな顔するかな。
「sakky、明日待ってるから!」「心配しないで。でも本当にいいの?会ったらショック受けるかもしれないよ。」
「大丈夫!俺はsakkyのこと良く知ってるから。sakkyがどんな人でも俺は絶対裏切ったりしない!」
「信じていい?」「もちろん!」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・信じよう。ここまで来たら信じる他ない。
うまくいけば味方ができるんだし。ダメなら、素直に謝るしかないかな。いや、「タケシ」さんは裏切らないはず。
信じていいんだよね?


3月19日(金) 雨

今日は「タケシ」さんと会う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・予定でした。
早く待ち合わせの場所に行こうとしたんですが、途中でちょっとした知り合いに会って話し込んでしまいました。
気づいた時にはもう待ち合わせ時間を過ぎてました。急いで会話を終わらせて待ち合わせ場所に行きました。
・・・・・・・・「タケシ」さんらしき人はいませんでした。誰かを待ってる様に見える人は一人もいません。
絶え間ない人の流れを見つめながら、僕は必死に「タケシ」さんの姿を見つけだそうとしました。
「タケシ」さんは僕の姿を見てもsakkyと気づくわけがないんだ。僕から見つけなきゃいけないのに・・・・・・・・・。
結局それらしき人は見あたらず、沈んだ気持ちのまま帰路につきました。
「タケシ」さんになんて言い訳をしようか・・・・・。今日はもうネットを繋げる気にはなれません。
もう寝ます。


3月20日(土) 雨

気まずいけど話さないわけには行かない。思い切ってネットを繋げてみました。
「タケシ」さんも繋いでます。「昨日はごめんなさい。」とメッセージを送っておきました。
「いいよいいよ。気にしてないから。とりあえずお話はできたしね。」・・・・・・・・・・・・・・・・「・・・・・・・・・・え?」
「なんか突然話切り上げて行っちゃうんだもん。もっと話したかったのにな。」・・・・・・・・・・・「それって・・・。」
「あれ?もしかして気づいてなかった?てっきり全部分かってたのかと思ったけど。」・・・・・・・「・・・・・まさか。」
「なんだ。本当に分かってなかったんだ。じゃ、改めて自己紹介。杉崎武志です。よろしく!」
昨日僕が話し込んだ人物。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・杉崎先生。それが「タケシ」さんだって?
あんなに平然と喋ってたのに。何で?何で?知ってたの?僕がsakkyだって事。何が、どうなってるの?
「あの、ちょっと今頭が混乱しちゃってて・・・。なんかうまく考えられなくて・・・。続きは明日にして下さい・・・。」
一方的なメッセージを送ってネットを切断しました。まだsakkyっぽく喋ってるのが情けなくなってくる。
なんで僕がsakkyだと分かった今でも先生は普通に喋ってくれてるんだ?なんか意図があるのかな?
それより僕はこれからどうしたらいい?まだsakkyのままでいるのか?先生は僕にどうしろと?
くそっ!考えたってどうしようもないじゃないか。考えるだけ無駄だ。ああ、もうどうでもいい。どうなってもいいよ!
なるようになれ!


3月21日(日) 雨

今日もまた沈んだ気分のままネットを繋ぎました。やっぱり「タケシ」さんとはきっちり話をしなきゃいけない。
どうせ酷いことになるのには変わりない。覚悟はできてる。恐喝でもするつもりか?それとも他に何か?
「やあ。昨日の話の続きなんだけどさあ。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来たか。「何です?。」
「俺、ちゃんと約束は守るよ。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?「約束って・・・・・・・・・どんな?」
「ほら、会う前に言ったじゃん。」・・・・・・・・・・・・・・・だから、それは何?「どんな約束でしたっけ?」
「『sakkyがどんな娘でも絶対イメージを変えない』って。岩本。この約束は今でも守ってるよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それって・・・・・・・・・・つまり・・・・・・・・・・・・・・・え?
「本当はなんとなくsakkyが岩本だとは気づいてたんだ。でも実際会うまで確信が持てなかった。」
「なんで?なんで気づいたんですか?」「『なんで?』って言われても・・・そのまんまなんだけど。」
何が「そのまんま」だっ!ちゃんと説明してくれよっ!
「それよりさ、以前ちょっと世話したりしたじゃないか。その時の俺、覚えててくれてる?」
何だよ。奥田のデジカメの事か?それも全て意図があってやった事なのか?
「あの時からかな。なんとなく、気になってたんだよ。」・・・・・・・・・・・うわああああああああああああああああ!!
やめろやめろやめろやめろやめてくれやめてくれ「やめて下さい!僕にはそんな趣味はないんです!」
「なんかしゃべり方おかしいよ。それにそんな言い方されると傷ついちゃうな。」・・・・おかしいのはお前だろ!
いくら僕でもそんな趣味はない!ホモ。聞いただけで寒気がする!何で僕なんかに!イヤだ!嫌だ!!
「この際、はっきり言うよ。岩本。俺はな、お前のことを」・・・・・・・・・・・・聞きたくない聞きたくないキキタクナイ
「愛してる」

僕は電源を切りました。



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