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 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第7週 「崩壊」

12月21日(月) 曇り

もうすぐクリスマスです。早紀に何をプレゼントしてあげようか考えてます。
僕にはお金がないのであまり高いのは買えません。どうしても小物になってしまいます。
早紀はちょっと幼い感じがするのが似合いそうです。ヌイグルミとかブローチとかいいもしれません。
早紀の喜ぶ顔が目に浮かんでホクホクした気分になります。明日ハンズに行って決めてきます。
楽しみです。


12月22日(火) 晴れ

結局ハンズでオルゴールを買ってきました。もちろんプレゼント用に綺麗に包んでもらってます。
音色がとても純粋な感じがして、早紀にはぴったりだと思ったのでオルゴールに決めました。
考えてみると今まで早紀にここまで心のこもったプレゼントをしたことはありませんでした。
早紀に対するこの気持ち、これこそが純愛なのかもしれません。もう迷いは有りません。
僕は早紀を愛してます。


12月23日(水) 晴れ

普段は妄想に浸ってばかりの僕も、早紀の前だとそんな気分じゃなくなります。
早紀と話す時、僕の中汚れてない部分が暖かくなる気がします。とても気分が良いです。
僕にもまだ純粋な気持ちが残ってるんでしょうか。僕はまだ堕ちるところまで堕ちてないんでしょうか。
早紀がいてくれれば、僕は踏みとどまれます。虫じゃなく人として生きていけます。
明日が待ち遠しいです。


12月24日(木) 曇り

クリスマスイヴです。楽しくなる予定だったのに早紀の様子がおかしいです。
朝、早紀は終業式に行きました。
昼、早紀が帰っきたあと、杉崎先生が家に僕の成績表を持ってきました。早紀に渡して帰ったそうです。
夕方、僕は早紀から成績表を受け取りました。何故か無言でした。
夜、プレゼントを渡そうと早紀の部屋に行ったら「来ないで!」と言われました。
そのあと「私お兄ちゃんが何したのか知ってるんだからっ!」とも言われました。
何が起こったんでしょうか。


12月25日(金) 曇り

早紀が何を知ったのか分かりません。訳がわからないままクリスマスになってしまいました。
聞こうとしても無視されます。でもただ一言「杉崎先生言ってたよ・・・」とだけ口を開いてくれました。
昨日、僕の成績表を受け取る時、先生に何か言われたに違い有りません。一体何を。
杉崎先生は僕に奥田のデジカメをくれました。デジカメには僕の痴態が写ってました。
学校にはそれがプリントアウトされたモノが散乱してました。先生も持ってるかもしれません。
まさか。
先生は、早紀に、それを、僕の痴態を、上履きをくわえた僕の姿を、見せ、た?
僕がいじめられてたのを、僕が異常な性癖を持ってたのを、早紀に、言った?
知られた?


12月26日(土) 晴れ

早紀と話し合いたいのに相手にしてくれません。「お兄ちゃん、最低だよ。」と言われました。
もう間違いなく早紀は僕の恥ずかしい行為を知ってます。今更言い訳も出来ません。
早紀に教えた先生が憎い。写真を撮った奥田も憎い。でも早紀を嫌いにはなれない。まだ愛してます。
僕はオルゴールを叩き割りました。ガシャン、と高い音がして床に破片が飛び散りました。
僕の中で何か弾けました。


12月27日(日) 曇り

床には昨日のオルゴールの破片がまだ散らばってます。片づける気にもなりません。
僕の心の綺麗な部分もオルゴールと一緒に砕けてしましました。二度と戻りません。
でも不思議なことに、残骸を眺めてると先生や奥田への憎悪が消えていきます。
代わりに早紀への愛が急騰します。僕の汚い部分を知られた今、恥ずかしがる必要は有りません。
早紀は知ってるんだから。僕がいじめられてた事を。僕の異常な性癖を。もう全て知られてもいい。
愛情も欲望も隠しません。



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