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 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第4週 「天誅」

11月30日(月) 雨

いじめは陰湿になったと思ってたら違いました。ますます暴力的になってました。
休み時間ごとにトイレに呼び出されて酷いことばかりさせられます。思いだしただけで気持ち悪いです。
何故こんなことになってしまったんでしょうか。このままでは僕は死んでしまいます。
全ての発端は奥田。あいつが僕の弁当に虫を入れたのが始まりです。
奥田が僕を虫と呼んだせいです。奥田が荒木さんを殴ったせいです。奥田が写真を撮ったせいです。
全部奥田のせいです。


12月1日(火) 曇り

僕はただひっそり生きたいだけだったのに。もう耐えられません。でも僕に死ぬ勇気は有りません。
今日奥田が「今度お前の妹に例の写真見せてやるな。」と言ってました。
それだけはさせるわけにはいきません。そんな事されたら終わりです。絶対に止めないと。
奥田は僕の全てを奪うつもりです。プライドはもう奪われました。お金も。名前も。
早紀だけは、渡さない。


12月2日(水) 天気なんかどうでもいい

・・・・・・・・・・・・・・・・・。
aaaaaaaaaaaaaa
・・・・。


12月3日(木) aaa

殺してやる。


12月4日(金) 雨

奥田が死にました。駅のホームから転落したそうです。バラバラに砕け散りました。
巷では「黒いマフラーの男が突き落とした」と噂になってますが実際に見た人はいません。
皆死体ばかり見てて犯人を捜そうとした人はいなかったそうです。民衆は無責任です。
証言も曖昧なため警察は事故死と判断して捜査を打ち切りました。
奥田の死は神様が下した天罰だったのではないでしょうか。奥田はあまりに悪いことをし過ぎました。
僕に対するいじめもちゃんと神様が見てくれていたんです。神様ありがとう。
満足です。


12月5日(土) 曇り

奥田のいない学校は何故か寂しく感じます。奥田がいなくなって一番嬉しいのは僕のはずなのに。
いじめはなくなりましたが誰にも相手にされなくなりました。僕はただ空気と同じ存在になってます。
耐え難い喪失感が僕を襲います。何も奪われない、何も得られない時間が過ぎていくだけでした。
思い返してみると、この4週間ほど他人に構ってもらった日々は今まで有りませんでした。
奥田は「いじめ」という形で僕に光を与えてくれたのかもしれません。
それとも僕は奥田の暴力を愛していたのでしょうか。今となっては確かめる術は有りません。
僕はまた、闇に帰るだけです。


12月6日(日) 晴れ

誰にも言えない僕の秘密。
部屋に掛かった黒いマフラーを見るたびに、僕はグシャグシャになった奥田の姿を思い出します。
それ以上のことは思い出せない。
思い出さない。


- 第1章 深淵の蟲 -  完
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