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 序章

<腐食編>

第1章 「深淵の蟲」
 第1週 跫音
 第2週 浸食
 第3週 激化
 第4週 天誅

第2章 「孤城の華」
 第5週 遺産
 第6週 歪曲
 第7週 崩壊
 第8週 散花

第3章 「背徳の咎」

 第9週 浮遊
 第10週 煮沸
 第11週 逆転
 第12週 断罪

第4章 「絶望の時」
 第13週 白紙
 第14週 泥濘
 第15週 絶望
 第16週 引導

<虚像編>

第5章 「電脳の渦」
 第17週 輪廻
 第18週 接近
 第19週 衝撃
 第20週 凶行

第6章 「悠久の闇」
 第21週 波紋
 第22週 追跡
 第23週 煽動
 第24週 漆黒

第7章 「虚空の塔」
 第25週 降臨
 第26週 劫火
 第27週 混沌
 第28週 淘汰

第8章 「希望の光」
 第29週 決戦
 第30週 呪縛
 第31週 絶叫
 第32週 昇天














第13週 「白紙」

2月1日(月) 曇り

今日が最後の事情聴取でした。そこで僕はとても嫌な事実を知りました。
未だに信じられない。信じたくない。でも事実だ。
僕は今まで何て事をしてきたんだろう。何を信じてたんだろう。
何故、こんな事に。


2月2日(火) 晴れ

早紀はまだ眠ったままです。ベットの横に立ったまま、僕は同じセリフを繰り返してました。
「早紀。あれは僕じゃない・・・・・・。」
誰も見てなかったはずなのに。見てたのは僕だけだったはずなのに。
早紀は見ていた。そして、それが荒木さんだとは気づかなかった。
僕だと勘違いした。


2月3日(水) 曇り

早紀は優しかった。僕の事を人殺しだと思ってもすぐには警察には通報しなかった。
知らないフリして普通に振る舞ってた。きっと早紀はこう考えてたんでしょう。「私だけの秘密にしておこう。」
でもその考えは崩れてしまった。警察に通報したのは12月27日。以後僕はずっと警察に見られていた。
早紀を犯したとき、テレビのボリュームを大きくしてなかったら僕は捕まってたかもしれません。
早紀が本当に初詣に行ってなかったら、やっぱり僕は捕まってたと思います。
早紀は何故通報したのか。答えは簡単です。「私だけの秘密」じゃないことを知らされたから。
杉崎先生が余計な事を。


2月4日(木) 晴れ

杉崎先生。あの人は僕を疑ってた。僕が奥田を殺したと思ってた。何も見てないくせに。
疑われるは構わない。だから先生に「お前が殺ったんだろ?」と聞かれた時僕は何も答えなかった。
荒木さんが殺したんだから僕が疑われても何の問題はない。わざわざ荒木さんが殺したと言う必要もない。
でも問題は起きた。先生はその間違った推測を信じ、それを早紀に告げた。12月24日の事でした。
先生は自分の推理に酔ってたのかもしれない。デジカメの存在を知ってるのは先生だけだったから。
証拠を見つけた探偵気取りだったんだ。だから、その推理を披露したかったんでしょう。僕が犯人であると。
イジメの事実を隠蔽しようとしてたんだから警察に言うわけありません。代わりに見つけたのが、早紀。
妹なんだから告げ口するわけ無いとでも思ったんでしょうか。逆の結果を招く事になるとも知らずに。
そして早紀は知ってしまった。「自分だけの秘密」を他に知ってる人がいたことを。
早紀が冷たい態度をとるようになった時、僕は見当違いな推理をしてました。もっと深く考えるべきだった。
もう、遅い。


2月5日(金) 曇り

身内が犯人と知ったら、僕ならどうするだろうか。その事を自分しか知らないのなら、たぶん黙ってる。
知ってる人が他にもいたら?それでも黙ってると思います。自首を勧める事もしないと思います。
それが早紀ならなおさらです。皆にバレても否定し続ける。愛してるから。何処へも行って欲しくないから。
でも早紀は通報した。それは事件の解決を長引かせるだけの行為だったけど、そんな事は重要じゃない。
問題は「何故通報したか」です。しかも僕に内緒で。その理由を考えてると頭が痛くなってきます。
早紀は僕と一緒にいたくなかったのか?何処かへ行って欲しかったのか?消えて欲しかった?
僕は早紀を愛してる。今でも変わらない。でも早紀は?早紀は本当に僕を愛してた?それどころか。
愛して、なかった?


2月6日(土) 晴れ

眠り続ける早紀。早紀の中では僕は人殺しのままです。僕は必死に語りかけました。
あれは僕じゃない。荒木さんだったんだ。早紀は荒木さんの罠に引っかかっただけなんだよ。
だから早紀。目を覚ましてよ。起きて僕の話を聞いてよ。そしたら誤解も解けるから。
それに僕たちは愛し合ってるんじゃないか。一緒に楽しい時間を過ごしたじゃないか。
まさか早紀は「犯された」なんて思ってないよね?僕は早紀を愛してる。早紀も僕の事を愛してるだろ?
早く起きてよ。起きて「お兄ちゃんを愛してる。」と言ってくれよ。ねぇ早紀。起きてよ。目を覚ましてよ・・・・。
僕はいつの間にか涙を流してました。早紀の肩を揺さぶり、泣きながら話しかけてました。
どれくらいそうしてたのか。ふと早紀を見ると、口が少し動いてます。何か喋ってる!?
その声はとても小さく、うっかりすると聞き逃した。僕は慎重に耳を近づけ、聴覚に集中しました。
「・・・・・・・・・・・・・・トオルさん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・助けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
誰だ。


2月7日(日) 曇り

トオル。こいつのせいで早紀の心が僕に向いてくれない。
おそらくこのクソ野郎こそが早紀の処女を奪った男に違いない。許せない。
早紀が目覚める前に消さなきゃ。最初からいなかった事にしないと。早紀には僕しかいないんだから。
第一早紀が入院してから一度でもお見舞いに来たか?来てないだろ?そんな奴に早紀を抱く権利は無い。
死ね死ね死ね。死んでしまえ。早紀を奪った男。今でも僕と同じ空気を吸ってると思うだけで許せない。
僕が殺してやる。見つけだして、僕の手で、殺さなきゃ。早紀は僕のだ。他の奴なんかにとられてたまるか。
消してやる。



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